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2023年の「利下げ」予想は後退

8/26パウエルFRB議長講演@ジャクソンホール米国株急落につながり、高い注目を集めました。定点観測として、市場の金融政策予想の変化をお伝えします。まずいつもの利上げマップから。

Fed Watchより

9月の利上げ幅は「0.75%」がやや優勢。11月は0.50%利上げ、12月は0.25%利上げとペースが鈍化し、来年序盤に利上げ停止――というのが市場のメインシナリオです。

この数週間の変化は来年の「利下げ」予想の後退です。グラフの通り、利上げ停止後は緑の線がほぼ横ばい。つまり、利上げも利下げもしない時期が当面続くということです。

少し前までは「来年半ばに利下げに転じる」との予想が増えていました。「インフレが和らぐとともに景気後退リスクがあり、FRBはむしろ緩和的な姿勢に転じる」との見立てがあったためです。

ところがこのところ、FRB高官からインフレ退治に断固たる姿勢をみせることが多く、8/26にはパウエルFRB議長も早急に利下げに転じる可能性が低いことを示唆しました。(下記記事もご参照)

「利下げ予想」が薄れたことは下記のグラフでわかります。青い線は「2022年12月の政策金利がどうなっていそうか」。は同じく「2023年12月」です。

フェデラルファンド金利先物市場より

6月中旬に赤が青を下回りました。つまり、2023年中に利下げがあると織り込み始めたわけです。この差が大きいほど、利下げ観測が強まったことを意味します。この差が8月に入り、縮小。いまは接近しており、「23年の利下げはないのでは」という雰囲気になっています。

ここで米国株のグラフも並べてみましょう。

6月半ばから株価はリバウンドを強めましたが、「米利上げ鈍化 & 2023年利下げ観測」が重なっていたともいえます。この1-2週間は金融政策の見通しの変化とともに株価の調整が進みました。

世界の株式市場は引き続き、FRBの金融政策に左右される構図が続いています。3日前に「株価と金利の関係は?㊤」(下記リンク)を流しましたが、この数日のうちに㊥㊦も流します。株価と金利の関係をスッキリ理解するとともに、今後の経済ニュースが頭にスッと入ってくるような内容にブラッシュアップ中です。


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