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noteはじめて半年で得たもの

noteサブスクをはじめて半年がたちました。有料会員(月500円~)は21600人を超え、想定をはるかに上回る反響をいただきました。

サブスクは広告収入と比べ、収益が安定しやすいといわれます。私のアカウントは毎月の継続比率が95%程度と、高いリテンションを頂いています。

収益面だけでみても、新規会員を増やすよりも、既存会員に満足していただくことのほうがはるかに重要です。

そして、コンテンツ制作も目先の刺激よりも、信頼構築がいっそう大切になります。これは「筆者-読者」の間で、長い目でのwin-win関係といえます。そして、それが時を重ねるごとに強固になっていくような気がしています。

◆ 収益増のベネフィット

noteメンバーシップは販売額の約85%がクリエイターの収入となります。フリーランスはなにかと不安定ですが、21600人の方々のご支援で、目先の収入面での不安は大きく後退しました。

私は贅沢消費にあまり欲がありません。しかし、収入増には別の大きな恩恵があります。それは、仕事を選ぶ際に「おカネ」の優先順位が著しく低くなるということです。

上のチャートは、「金銭報酬」を縦軸「やりがい・学び」を横軸にして、個々の仕事をプロットしたものです。

きれいごとを言っても、収入がほとんどなければ、生活を送れません。上のチャートでいえば、まずは「A」の仕事を優先するのが普通だと思います。

ところが、生活に必要な収入をクリアすれば、「おカネ」より「時間」「経験」のほうがずっと大切になります。結果として、「B」の仕事を中心に受けていけるようになります。

◆ 学校訪問◎ スポンサー案件△

わかりやすくいうと、先月、九州の2つの大学に無償授業に出張しました。2月にはある高校で、無償のオンライン授業を開きます。これらは収入ゼロどころか、交通費などコストもかかり、単体では完全に赤字ですが、とてもやりがいがあり、学生さんの反応からは学びがあります。「B」の中でも特に右下にある仕事です。

これらは一例ですが、一般的に公益性の高い仕事は収入が低い傾向にあります。このため、引き受け手が少なかったりします。

逆にいうと、収益面を気にしなければ、魅力的な仕事はたくさんあり、クライアントからはとても感謝され、仕事の醍醐味を強く感じられます。学校訪問以外も、収益度外視で、やりがいのある仕事を今後増やしていきます。

一方、スポンサー案件や大きな投資イベントの講演などは一般にギャラが高くなります。金融業界との関係構築も大切なので、スポンサー案件を一律に断るわけではありませんが、新たな発見ややりがいを見いだせるとは限りません。

仮に、あまりいいと思っていないサービスの宣伝に加担したり、出展団体がよくわからないイベントをTwitterで告知してフォロワーを誘導したりすることは、信用の切り売りにほかなりません。こうした依頼はどれほど多額のギャラであってもお断りしています。

◆ note会員からの共感

とてもありがたいことに、こうした採算度外視の判断をnote会員の方々が共感、応援してくださっています。500円(or 980円=募集停止中のコアメンバープラン)の月会費を気持ちよく払ってくださっている方が多くいらっしゃいます。

そのお金が原資となって、採算度外視の活動がしやすくなりました。コンテンツ充実に向けた投資もしやすくなり、まわりまわってコンテンツのブラッシュアップや公平性確保につながるという好循環が生まれつつあるように感じています。

◆ 資本主義と少し違うカタチ

もちろん、おカネは事業を安定的に回すうえで大切です。ただ、私個人としては何が何でも収益を増やさねばならないという意識はありません。生活に不自由がなければ、お金稼ぎにまい進するよりも、やりがいのある気持ちよい仕事して、いろんな方に感謝されるほうがずっと充実しています。

これは、大きな会社、特に上場企業やVCから出資を受けた企業だと状況が異なると思います。利益成長のプレッシャーがいつまでもかかり続けるので、「採算度外視の教育」などに大きなリソースを割きづらくなります。

私は昨年秋に小さな会社をつくりましたが、出資は受けていませんし、従業員もいません。収益増のプレッシャーを感じることはありません。満足してもらうべき人はnoteメンバーなど、最終的な個々のお客さんに集約されます。

◆ 直接のフィードバック

noteメンバーやTwitterフォロワーからは、コメントや数値など、様々なフィードバックが届きます。これに加え、ここ数カ月はnoteメンバーの方との直接の触れ合いを増やしています。あす月曜も、日経テレ東大学の収録にnoteコアメンバーを招待して、収録後はそのまま会食にいきます。

エンドユーザーの顔がみえ、直接意見交換することで、コンテンツやコミュニティー運営をどう改善していけばいいか、解像度が上がっていくように感じています。

今年は新しいプロジェクトにも挑戦する予定で、その際にはnoteコミュニティーと連携し、いいシナジーを探っていければと思っています。

◆ おカネで測れないアセット

手探りの半年でしたが、noteメンバーシップの理想的な運営が遠くにぼんやりとみえてきたような気もしています。こうしたおカネで測れない大きなアセットがこの半年で得られた最も大きなモノです。

今年も前例にとらわれず、いろいろチャレンジしていきます。半年後にはもっと実りのあるご報告ができればと思っております。

2023年1月22日 後藤達也

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