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Water Room Recordsの素敵な旅(後編)

やぁ、調子はどう?前回のインタビュー、自分で言うのもなんだけど、なかなか好評で・・・。
マサ:良かったです。友達も結構、読んでくれたみたいで、嬉しい限りです。
今日は後編として、レーベル所属のバンドとの出会いとか、その辺を聞かせてよ。
マサ:はい。
日本のバンドっていうか、東京のバンドとしては、The Käfers、paddy isleがいる訳なんだけど、ああ、もうひと組、マムシもいるね。
マサ:ええ、あ、マムシは別枠と言うことでお願いします(笑)。
OK、じゃ、マムシについてはまた改めて取材させてもらうとして(笑)、最初の日本のアーティストはThe Käfersだったよね。その辺の話から・・・。
マサ:The Käfersのクレアさん(ギター&ヴォーカル、作詞作曲)とは前回もお話ししました世田谷のGOKIGENYA GARAGEで知り合いまして、その後、当時クレアさんがやっていたChairsというバンドを見に行ったりして親交を深めました。
あ、Chairsって、クレアさんともう1人、道子さんという方とのギター2人組だったよね。2人とも以前からの友達なんで僕もよく観てましたよ、Chairs。クレアさんのアコースティックなポール・マッカートニー趣味がよく反映されてたね。
マサ:Goodbyeとかポールの影響が強く感じられますね。最初にお会いした時に夜遅くまで話し込んで、クレアさんもイギリスが好きだったり音楽にも詳しくて、その場で意気投合しました。
僕がマサと知り合ったのもGOKIGENYAでChairsの確か解散Liveだったよね。誰が言うでもなく、ギターを手にして歌い始めて、そしたらマサがブルーズをカッコよく弾き始めて・・・。おいおい、なかなかやるじゃん、て感じで話しかけたんだよね。
マサ:ブルースなんて弾きましたっけ?もう遠い昔のようであまり覚えていないです(笑)。The Käfersの話に戻ると、元々2020年のコロナ禍で「アートにエールを」という東京都の企画があって、それに参加するために作ったバンドだと聞きました。
そうなんだ・・・それは知らなかった。
マサ:The Käfersのコンセプトって「ビートルズみたいだけどビートルズじゃない」と言いますか、ビートルズが影響を受けた曲をルーツとして曲を作ることを追求したとてもマニアックなバンドです。デビュー曲の”Crying For The Moon Instead”はストリーミングでまずリリースされまして、そしたら「ビートルズの未発表曲!?」みたいな藤本国彦氏の記事がYahooニュースに載ってバズったんです(笑)。
本家以上に本家だと言う・・・(笑)。
マサ:いや〜、すごいですよね。称賛の声もアンチの声もたくさんありました(笑)。それで、やっぱり音楽的にレコードで欲しい、と言う声が多くあったので7インチを作ったんです。
あー、7インチは後からなんだ・・・。

The Kafers登場!


マサ:60年代のシングル盤の音を再現したくて僕の部屋のAltecのスピーカーで出来上がって来たラッカー盤(レコードの元になる盤)と60年代当時のバンドのオリジナル7インチをクレアさんと何回も聴き比べてプレスに至りました。そのラッカー盤も東洋化成の西谷さんという方に2枚作ってて頂いて、より音圧や音質が60年代の音に近い方でプレスしました。音がいいとされている当時のレコードにも負けていないと思います。おかげさまで評判もいいみたいです。こうして出来上がったレコードを僕自身がロンドンに持って行ってレコード屋さんに直接売り込みました。その甲斐あって、持って行った10枚は全部買い取って頂けました。
お、プロモーションもアナログなんだ!笑
マサ:ロンドンでも好きな人の間では小規模ながら盛り上がって、キャヴァーン・クラブからLiveのお呼びもかかったんです。色々あってまだ実現してないんですけどね・・・。
そりゃ、ビートルズ・マニアの究極の夢だよね!The Käfersは最近でこそLiveやっているけど、デビュー後しばらくは正体を明かさなかったよね。「謎のビートルズバンド」みたいな。
マサ:ええ、今はバレちゃいましたけどね(笑)。メンバーはクレアさんとジョニーさん、ミネソタブードゥーメンのリンゴさんとバークリー音楽大学に通っていたコビーさんです。今後、どんどんレコーディングやLiveをやっていくので、ビートルマニアだけじゃなく、ロックンロール好きな人にも楽しんで頂けると思います。それとオールディーズファンなら、元ネタ探しなんかも面白いと思います。

The Kafers live on stage


なるほどね、そりゃいいね。・・・じゃ、もう一つのpaddy isleの話を聞かせてよ。
マサ:paddy isleは僕より少し若い4人組で今バリバリに売り出し中です。The Käfersがオールディーズベースとしたら、彼らは60年代のサイケデリックロックをルーツの一つにしています。もちろん、それだけにとどまらないんですが、あ、ビートルズの影響も大きいです。ギターヴォーカルのマルはジョージ、リードギターの三浦くんはポールが好きです(笑)。
そう、僕が初めて彼らを観たのもGOKIGENYAで、出会いの曲が”Come Together”だったんで、えーこんなのやるんだ!って驚いたんだよ。他にもLiveのアンコールとかで“Hey Bulldog”や”Money”なんかもよくやってるよね。
マサ:”Come Together”は特にライブでいつもウケがいいですね。その2人に加えてベースにあゆむくん、ドラムは雄飛くんという4人組です。ツアーの移動中の車で僕も含めた5人それぞれでビートルズの全アルバムから1曲ずつ選んで並べたプレイリストを流し合って楽しんだりもします(笑)。
彼らとの出会いはどんな風だったの⁈
マサ:三浦くんが日付までよく覚えてるので聞けば分かるんですけど、多分2022年2月22日か27日に東高円寺のUFOクラブに行った時ですね。友達の友達の友達がドラムを叩いているバンド(笑)「Bambi Club」を観に行った日に彼らがトリで出てたんです。なかなか面白いバンドだと思いまして、終わってから「Bambi Club」のドラマーのミロくんにお願いしてメンバーを楽屋から呼び出してもらって名刺を渡したんですが、その時は「ふーん・・・」みたいな冷たい反応だったんですよ・・・三浦くんでしたね(苦笑)。
若いバンドにありがち・・・(笑)?
マサ:しかもその頃はまだコロナ禍でみんなマスクをしていたので、帰り際に挨拶しようと思っても、もう誰だか分かんないんです(笑)。この人だったかなぁ?くらい感じで会釈して帰りましたけど、たぶん連絡は来ないだろうなぁ、と正直に言うと思ってました。でも何日かしてから三浦くんからメールが届いて新宿のタイムスで顔合わせをしました。何だか懐かしいですね(笑)。

paddy isle first album

それで、めでたく(笑)マネージャーに就任して、レーベルからCDも出したと。
マサ:いや〜、マネージャーというかプロデュースからプロモ、運転手、ボーヤまで、ほとんど僕です。猫の手も借りたいです(笑)。色々ありつつ2022年7月に僕の故郷の新潟に2週間滞在してアルバムを録音しました。”Cavemen’s Law”という8曲入りです。それ以前にも彼ら自身でシングルを何枚か配信で出してます。去年は3ヶ月連続でシングルを配信しました。それらをまとめたEPも合わせると4ヶ月連続ですね。いや〜、大変でした。シングルの音も悪くないですが、ZAKさんにマスタリングして頂いて完成したEP "In Between"の方で全曲聴いて頂きたいです。去年のpaddy isleの集大成です。
おお、マネージャーらしく宣伝がうまいね(笑)! ところで彼ら、今、ニューアルバム録音してるよね?!
マサ:そうなんです。今回も新潟です。順調に進んでいます!
最近のLive観てると、サウンドが太くなったというかハードになってきたよね。なんせ、Liveではマイクスタンドにハレ・クリシュナのスカーフを掛けたり、初めて会った時、その時代錯誤ぶりにもびっくりしたし、面白い奴等がいるなぁと思ったところにさっきも言ったけど”Come Together”で「シュッ!」でしょ(笑)。なので、力強くなってきたのはとってもいいと思う。音量も上げてさ。マサ:彼らが偏月で企画してるイベントMOONSHINEでは電飾を巻き付けてます(笑)。確か次回は8月24日土曜で16回目だったかしら?ちょうど3周年でオールナイトパーティらしいです。渋谷のRuby Roomでいつもやっているので行ってやって下さい。

paddy isle live at Ruby Room in MOONSHINE


彼らのXを見てるとアメリカのラジオ局でもしばしばオンエアされてるみたいじゃない。
マサ:はい、そうなんです。CDと音源を送ったら気に入って下さった局がいくつかありまして、本当にありがたいです。あと、北欧にもファンがいるらしく、Liveのストリーミングをすると観てくれてたりします。
おお、いいね!
マサ:2バンド共、今後の活動に期待が高まります。
OK、今日はそろそろこの辺で・・・。今度機会を見つけて所属バンドにもインタビューしたいな。
マサ:是非是非!楽しみにしています。paddy isleはGOKIGENYAでひと月おきに僕が企画しているMusic From the Water Roomというイベントにレギュラーで出ています。今度は6月28日金曜ですので、興味を持っていただけた方は飲みがてら遊びに来て下さい。このイベントは基本的に入場無料のオープンマイクです。フラッと寄って飲みながら弾いたり叩いたりして遊びましょう。
じゃ、また近いうちに!

*****************************************************************************Water Room Recordsのレーベルロゴは1作目のジョージアのカバーデザインをしたKOBE CITY OFFICE The Other Halfを営むシンガーソングライター伊香桃子氏によるデザイン。4作目のShadow Showのカバーや先日のFestival in the Water Roomのポスターのデザインも手掛けている。

インタビュー、文責
後藤博則
2024年5月25日渋谷The Aldgate(“it’s a small Britain after all”)でのインタビューに6月15日時点での近況を追加取材して構成。


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