平 和也  タイラカズヤ

不思議な導きがあり東京へ移住し小さなスナックを始める事になった。そのお店で出逢ったお客…

平 和也  タイラカズヤ

不思議な導きがあり東京へ移住し小さなスナックを始める事になった。そのお店で出逢ったお客さまのお話多め。走り書きしているために誤字脱字が多いですがお許しくださいませ

最近の記事

男だとバレたくない女

スナックには色々な方がいらっしゃる ドアチャイムがなってお客様がお店の中に入った途端にその背負っている、なんて言うのかな…、何かが俺の眉間の間と頭頂部にモアモアした感覚が伝わって来るのだ。 出会いは暑い夏の夜のことだったと記憶している。 少し体が大きめで、スラリとした50代後半のキャリアウーマン風の女性が入ってきた。カウンターにチョコンと座って少し酔っているのか、気さくにお話をはじめた。 悪い人ではないということは直感でわかる。しかし、何か隠しているのが伝わってくるが、どこ

    • 後日、事務所NG…というお客様のお話。

      こんにちは、タイラです 今日はよくあるスナックでのお話を一つ。 Kちゃんは、とある劇団在籍のミュージカル女優(43)だ。 うちの店で応援しているシンガーソングライターのファンという事でそのアーティストのライブ後に一緒に来てくれたことから、よく店に来てくれるようになった。 その日も、Kちゃんは劇団の後輩を連れて飲みに来てくれ、楽しく店を盛り上げてくれていた。 話は変わって、わたくしタイラはミュージカルが苦手だ。 スタートから「ミュージカルです」という作品ならギリギリ鑑賞を

      • パートナーが植物人間になられたお客様のお話

        お店を始めたころに知り合った若くないミュージシャンがアルバイトを始めたってね。彼は大学の時に介護系の資格を取っていたらしく、それを生かして音楽活動の傍らに、そんなような仕事をしていたんだ。 時々、大きいホールでライブなんかもやるもんだから、けっこう地元のファンが付いていた。 ある日、小さなライブが終わってファンの子数人とお店に来てくれたんだ。その中に少し背の高いN子がいた。この時が初めての出会いだ。 看護師のN子は割と上昇志向の高い女子。 「若い頃はね、お金があれば幸せにな

        • 風俗嬢だというカミングアウト

          鳥山明が描くような雲に十三夜の明かりが照らされ、なんだか吸い込まれるような夜空の少し寒い日に、カランカランとドアチャイムが鳴った 新規のお客様だ。 少し背の小さく目がクリっとした美彩という女性と背が高く前髪で眉毛が隠れる弘樹という男性と2人でご来店くださった。 「私たち、この近くに引っ越してきて2人で住んでいるの」 それはそれは初々しい事だというような顔で相槌を返すと、彼女の方は腑に落ちない顔をしながら少し控えめの笑みを返した 結果的に数日後このカップルは破局。 彼氏が

        男だとバレたくない女

          嫌煙というムードとヂャーヂャー麺

          ちょうど1年前に義父から譲り受けたワゴンの車検が切れているのに気が付いたのは世田谷区の祖師谷商店街での事だ。 その日の夕方、4才になる息子が放った「ウルトラ饅頭を食べたい」の一言で家族を乗せて商店街まで送迎中だった。 あわててユーザー車検の予約をネットから行い翌々日の3ラウンドが車検の予約時間になった。 当日、多摩自動車検査事務所に向かう道すがらに見かけた町中華の立て看板に書かれた『ヂャーヂャー麺』が忘れられなくて、車検が終わった後にその店に足を運んだ。 原来、麺系の中に

          嫌煙というムードとヂャーヂャー麺