後から冷や汗出るとき

2014/7/6 記
 昨日に引き続き薬の話を。
 テレビでは警察24時なんてのやっててさ、今の職質見てると、これに捕まった時点でアウトだなと思うね薬の場合。
 車から何も出なくても、尿検査を断る時点で食い着いて離れない。
 それなら一か八か快く尿検受ける態度を見せた方がまだ助かる可能性はある。 ああ、こいつはやってないなって思わせてさ。
 俺は歩いてて職質は一度もないけど、車で品物持ってての職質はたくさんあるよ。でもその辺はプロなので一度もボロは出さなかった。
 しかし一度危ないことあったよ。
 ある夜、目黒の柿の木坂から環七に入るとパトカーが止まっていて俺を待ってたかのように着いてきた。しかしサイレンを鳴らすでもなくづっと着いてくる。一応俺は車の中のシャブとポンプを全部封筒に入れてパーカーのポケットに。量が量なので封筒はパンパンだ。
 やがてサイレンを鳴らしたパトカーは、俺に停車を呼びかけてきた。
 俺はガードレール側に植え込みのある部分を探して走り続ける。
 パトカーもうるさく呼びかけてくると、植え込みが現れたのでストップ。止まると、後のナンバープレートの電気が切れていると言うが嘘だ。一人は免許の紹介のためにパトカーへもどり、もう一人の警官に促されて、俺は車を降りた。後ろにいる警官を横目に前のナンバープレートを見るふりをして植え込みにさっきの封筒を突き刺した。
「前じゃないよ、後、後ろ」
よし、バレなかった。これで俺は何も持ってないので余裕だ。
 後ろへ行くも、プレートはちゃんと照明がついている。
「さっきは消えてたのになぁ」
 とぼけやがって。
そこへ紹介を済ませた警官が戻ってきた。こいつはもう俺の前歴を全て知ってるはずだ。それで俺は言った。
 「俺は前があるから全部見せなきゃダメなんでしょ。車も見せるし裸にもなるよ。小便だって出すから早めに頼むよ」
 そう言うと、トランクを開けて、クリアボックスのロックを外しかけたままじーっと俺を見る警官は、ボックスのロックを掛け直し、
「あんた大丈夫だ、ナンバーの電気はスタンドで点検してね」と言ってトランクを閉じた。
 そのまま帰宅した俺は、トランクを開けてボックスの蓋を取って驚いた。中には大麻100グラムの真空パックが3つ。
 忘れてたんだな。汗がドバーと、吹き出したよ。
 でも忘れてたおかげで、嘘ついてるようには見えなかったんだろうな。

その後、現場に戻って植え込みに突っ込んだ封筒を探すのに懐中電灯持って大変だったよ。
そっちの方がよっぽど挙動不審だよな。

 PS 今だから笑えるけどね。

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