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遂に来ました慰問演芸

2014/10/10 記
 今日の指導日は、
"十勝名唱会"とかいうのが慰問に来たよ。
 ギター2名、キーボード、サックス、の4人に数人の歌手がカラオケで歌う。
 この人たちのトークによると、慰問は刑務所側から頼まれて自腹で来るらしい。
 先日、工場で配食やってたら副担が言ってた。

「ここだけの話だが今回の慰問、本当はぺぺだったんだ」

ぺぺっていうのは結成当時から、全国の刑務所を慰問でまわっている女性二人のユニットだ。
 ホリエモンも観たとテレビで言ってたし、俺も甲府で見たよ。
 刑務官の間でもこれほど有名な二人は一度見ておくべしと言われてるらしい。
 しかし今回の慰問はぺぺではなく、演歌軍団の十勝名唱会。
 そうなってしまったのは新しくなった所長が、ぺぺの代表的なパフォーマンスのひとつで、
 「元気出せよ」って歌の最中に客席に向かって

「皆さん!拳を高く上げてください!さぁ一緒にー!」

と、みんなで曲に合わせて手を挙げる場面があるんだけど、それが気に入らなかったからなんだってさ。
 ここ月形では、拍手は胸の高さまで、それ以外の時、手は膝の上。なんてうるさく決められていて、要はそれに違反するということなんだろうね。

 いま、慰問が終わって舎房に帰ってこの日記を書いてるんだけど、何を見たのかよくわかんねえよ。
 だってうるさすぎるんだもんよ、オヤジ連中がさぁ。
 繰り込みの時だって、行きも帰りも、
目を閉じろ!
キョロキョロするな!
椅子に触るな!
足を組むな!
下を向くな!
じっとしてろ!
もう、あれもこれもで嫌になるぜ。
 イラっとするのはオヤジの言い方が普通じゃないからだ。
 まるで喧嘩腰の、チンピラだな。
 こっちは目を閉じてるから、ぎゃーぎゃー言われりゃ目の前で因縁つけられてる気がして本当に頭にくる。
 甲府も府中も、うるさかったが、ここよりはマシだったな。
 なんせここの奴らは巻き舌で来るからなぁ。
 刑務官もストレス溜まるんだろうけど、あれだけの大声で喧嘩腰で叫んでりゃスカッとするだろうね、誰も言い返して来ないんだから。
 その捌け口にされてる俺たちはストレスが溜まる一方だけどね。

PS
 年末から3か月間かけて通ったパソコン教室は役にたった。
 パソコン教えてもらえる上に、給付金が10万支給される。
 全国の他の保護会に居る人も、このシステム知ってるだろうか。
 仕事の見つからない者には、ためになるからと勧めると、もう何人も応募して通ってるよ。
 中には全くパソコン分からず、ただ尻込みしてた者や、パソコンの技術は相当なのに、資格がなかった者。俺のように保護会にいて、衣食住の助かってるのをチャンスに、少しでもパソコン使えるようになり、資格まで取れるならと考える者たちの他、ただ10万目当ての者も居るけどね。(笑)
(写真)
学校の風景

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