俺の獄中絵日記(鹿児島編)その 1
俺は帰って来てからそりゃ一生懸命やったさ。お袋安心させてやろうと思ってサ。普通の人。そう、ただ普通の人になろうとしたんだ。
疲れる時もあるよ。
でも、年寄りの世話ってのは、
本当はこんなもんじゃ済まないんだよ。
帰ってきてから家の前のファミレスでマサと会ったよ。
今回も共犯のようなものだけど、奴の方が帰りが早かった。
判決は1年2ヶ月だって。
そんなの軽すぎるだろ。
悪友が近くに住んでると言うだけで仮釈パーにされた俺の立場はどうなるのって感じだよ。
マサの奴がサ。そんな事言い出したんだよ。
まあ、いつもの事かと思ったんだ。だってあいつはもう、何回だってシャブを止めてるから。
またあいつの守れないやめる宣言がひとつ増えるだけだろうって思った。
でも違ったみたいだよ。奴はもう1年2ヶ月薬と縁を切って生きていたんだ。なんだかサ。
ちょっと置いていかれたような淋しいような、複雑な気持ちだった。
だって1年2ヶ月スタートは遅れちまうけど、俺もあいつと同じ気持ちだったから。 つづく
俺の獄中絵日記(鹿児島編)その2
で会いましょう!
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