やさしさにつつまれたなら
2014、4、4、
毎日毎日、ろくでもない夢に気持ちを左右されている俺だけどさ、ごくたまに気分の悪くない夢ってのもあるんだよ。
夕べはこんなだった。
夜、車を走らせていると、目の前で検問をやってるのが見える。
府中で免許をパーにされてるから無免許だってことに気づく。そのうえ体には覚せい剤が入っているらしく、無免許で止められて小便でも取られたら、また懲役に行かなくちゃならない。そう思った瞬間、冷や汗の出る感じはリアルだ。
俺は手前で車を乗り捨て民家へ逃げ込む。
無免許運転しないから、ありえないシチュエーションなんだけど、
警察が追ってきているようなので、俺はマンションを駆け上がり、二階のドアを、片っ端から開けようとする。運よく二つ目のドアが開いた。
警察が下まで来ているのが分かった。俺は玄関に入りドアを閉めた。
中では4人の親子が食事中で、みんな目を丸くして俺を見ている。
「すいません。申し訳ないですけどちょっとの間ここにいさせてください。」というと、「何かわけがありそうだね。」と、ご主人。
すると、奥にいたおじいちゃんが「中へ入れてやれ」言ってくれた。
窓から下をのぞくと警察が。
ご主人は、顔を出さない方がいいとカーテンを閉めてくれた。家族と一緒に座卓に座らされると奥さんが何もないけどと、茶碗に飯を盛ってくれる。小学生くらいの姉と弟の兄弟も、食後に飴玉をくれたりする。
外が静まったころ、「怪しい俺の事、何も聞かずに匿ってくれてほんとうにありがとう。」と言って部屋を出ようとすると、「まだゆっくりしてた方がいいんじゃないか」と引き留められる。なんかうれしくなる。
こんなこと実際はあり得ないよ。でもさ、夢の中のあったかい家族に触れられて、今日の夢はいつもと違って目覚めるとほんわかしていてまんざらでもない。こういう日は人にも優しくできるんだ。
こんな、怒りと悲しみ以外の夢なんて、後にも先にもこのくらいかなぁ。
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