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ワイルドでいこう!

2014,5,10
 テレビのニュースで小学5年の男の子が自殺したと報道していた。
小5でそんな事考えるのか?最近は過保護すぎるせいもあるんじゃないのか。俺が23歳の時、近くに住むばあちゃんが病院に行くのに怖いから付き合っておくれというので、ばあちゃんっ子の俺は二つ返事でむかえにいった。
 狭い道を走るトラックにおびえながら歩くばあちゃんの後ろを歩いていると、その姿が面白かったのか、前から来るチャリンコに乗った5人の小学生がばあちゃんとすれ違いざまに耳元に向かって「わー」と大声を浴びせた。
 それに驚いたばあちゃんを大声で笑いながら走り去ってゆくガキどもに怒り爆発。
 ばあちゃんに「ほら、すぐそこだから先にいってて」といって振り返り、全速力でガキどもを追いかけたよ。
ふん捕まえてげんこつ食らわせてから、逃げた3人に向かって「殺されたくなかったら戻って来い」と鬼の形相で怒鳴ったら、震えながら戻ってきたよ。
 ガキ相手にマジ切れしてる単細胞の大人であることは確かだ。

ギャーギャー泣いてるガキ5人を病院の前に並べてばあちゃんを待った。「いいかお前ら、さっきのおばあさんが出てきたら大きな声であやまるんだぞ、声が聞こえなかったらぶん殴るからな、返事はどーしたぁ!」

しばらくしてばーちゃんが出てきた。

「ばあちゃん、さっきばあちゃんを驚かせたこいつらが謝りたいって」。
「おらぁ、お前ら、何ていうんだぁー?」。するとガキども、
「ごめんなさーい・・うええーん」
それ見てばあちゃんが驚いた。
「いいんだよ、もう泣かないで」といっても泣き止まないから、こずかいまで渡している。
「もういいから気を付けてお帰りよ」って。
 やさしいばあちゃんだった。
だからこそ俺はそれだけじゃ許さない。
ばあちやんから死角になるよう、ガキどもが角を曲がったところでまた捕まえてケツキックだ。
「おまえらは今日年寄りを大事にしてやらず、最低なことをしたんだ。どうして怒られて蹴っ飛ばされてこずかいもらったのかを、ちゃんと親に言え!そしてお前らの父ちゃん母ちゃんがお前は悪くないよって言ったなら、あしたこの病院に一緒に来 い!」。
 今なら逮捕されてるかもね。でもあの時悪いことしたなんてこれっぽっちも思ってないよ。子供にはもっとワイルドに行こうよ。

ばあちゃんの、あまりの優しさと平和主義が、時々もどかしいときがあったなぁ。

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