寸勁のような超近接パンチ カウンターや3重ガードにもなりうる一瞬の打拳

通常、投げ技になるような距離で、相手と密着したとき、ほとんどの打撃技が威力をだしきれないでしょう。

足も伸びきらないため、膝蹴り、踏み付け以外の蹴り技は難しいです。

パンチ系の打撃も、下半身の重心移動を技の起点としているため、威力が激減してしまいます。

有効なのは、最低限の足のバネと上半身のひねりを用いた肘打ちくらいでしょう。

それ以外にも、超近接距離で効果を発揮する打拳が存在します。

それが、中国拳法の寸勁です。

ぞくに、ノーインチパンチとも言われています。

ただし、相当の上級者じゃない限り、この技で十分な威力をだすことは困難です。

そこで、寸勁に似た超近接パンチをご紹介します。

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図では、相手とかなり密着した状態から、左腕で超近接パンチを放っています。

見たら分かるとおり、動いた下半身と同程度しか、パンチが伸びておりません。

普通、こんな距離からパンチを放てば、十分な威力をだせません。

ただ、打ち方に工夫をこらせば、体重をのせたパンチを打つことができるのです。

まず、図のオレンジ矢印方向に、軸足となる右足で片足ジャンプをします。

そのジャンプによって、空中にいる間に、左足と左腕を前方向へ進めます。

つまり、左半身を前へ突き出すということです。

このとき、右腕は奥に引っ込めましょう。

そして、全体重をのせたパンチを、着地する前か同時に、敵へと放ちます。

超近接パンチを打つまでの動作は一瞬です。

中々、タイミングをつかむのに苦労するでしょう。

敵も、まさか、こんな距離から威力のある打拳がくるとは思っていなかったことでしょう。

不意の反撃にのけぞって、関節技や投げ技をかけるのを断念しました。

うまくいけば、かなりの威力のある打撃になるので、逃げる隙をつくることも可能です。

このパンチは、以前、紹介した受け技の防御より動作が早いので、ある意味、腕によって、相手の攻撃を止めるストッピングとしても機能します。

ひょっとしたら、第3の防御手段として機能する可能性もあるのです。

そうなれば、両手の受け技に続き、3重ガードの完成です。

また、相手の攻撃の後の先をとる、カウンターパンチとしても活用できます。

自分より体が大きく、体重の重い相手でも、カウンターを利用すれば、大きなダメージを与えることができます。

それは、相手の重くて、勢いのあるぶつかりを威力に上乗せできるからです。

ただ、パンチを見極める動体視力が必須とされます。

それに、紙一重のタイミングから超近接パンチを放たねばなりません。

失敗すれば、防御できないため、打つのが遅れ、パンチを被弾するハメになります。

よっぽど、追い詰められた状況じゃなければ、使うことをオススメしないハイリスクな技です。

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