中国拳法 発勁の打ち方のコツと弱点 伸びきった足から勁力を送る
通常、中国拳法の発勁は勁力が伝わるように、パンチなら足⇒腰⇒腕、キックなら足⇒腰⇒もう一方の足に伝達されていきます。
つまり、最初の地面への足蹴りが重要になるということです。
しかし、その場合、勁力がしっかり腰へと伝わるように足が伸びきらないといけません。
その様子を示したのが図1です。
図1
足がきれいに斜め直線上に伸びきって、対象部位への打撃力を高めていきます。
これにより、強力なパンチやキックを打つことができるのです。
ところが、図2のように膝の関節が曲がっていたりすると、力が分散されて、前方向の推進力が打ち消されていってしまいます。
図2
図のように、逆方向の矢印が強力なブレーキとしてはたらいてしまうのです。
そのような攻撃は中途半端な打撃力しかうみません。
従って、足の指が地面を蹴る力をフルに伝えることが、発勁では不可欠になっていきます。
これにより、全体の筋肉量が上の相手と対峙しても、負けない威力の打撃ができてくるのです。
しかし、中国拳法の発勁にも弱点があります。
それは、力の起点となる足腰を痛めるか、骨を折られれば、発勁が打てなくなる点です。
もちろん、足腰を固定し、ホールドされても同様です。
ちょうど、腰痛をかかえていたりすると最悪です。
そのように、戦闘中のコンディションが悪化すれば、まともな攻撃ができなくなります。
そこが、異種格闘技と比べた明確な弱点になってくるのです。
なので、発勁が有効だからといって、身体を鍛えることを怠ってはいけません。
足や腕の部分だけで強力なパンチを打てる人間には、こうしたアドバンテージが存在します。
体の大きい人間には、テレホンパンチでも強力な威力がでていくのです。
お相撲さんの連続した張り手をイメージすれば良く分かります。
体の小さい人間は、吹き飛ばされていくでしょう。
また、発勁は力が打撃部位に伝わるまで、わずかなタイムロスが生じます。
その隙を狙われればひとたまりもないのです。
ボクシングなどのリズミカルなステップが少しだけ難しくなるでしょう。
格闘上級者同士の争いになれば、わずかな隙でも命取りになってしまいます。
発勁の弱点を理解したうえで、使いどころを考慮しましょう。
もちろん、防御して、相手が体勢を崩した時が狙い目になります。
決して、ガチガチにかまえているときに、攻撃をしかけることはオススメしません。
さらに、上半身の力だけで打つ寸勁なら、超至近距離で捕まえられても、有効になる可能性があります。
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