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温泉スイート 製作中(1)

翠巒御坊という昭和30年代に建設された部分を2020年5月現在改装中です。
地久と呼んでいる35㎡ぐらいのクラスの部屋を3室まとめて1室にして、130㎡ぐらいの温泉付きのスイートルームをつくっています。それも2室つくっていますので、6室の部屋を使用して2室になるという事です。

温泉スイートをつくっています!

御所坊は階段状の土地に建っています。玄関から見ると今回の場所は3階と4階になりますが、金の湯の方から見ると地上1階と2階になります。
解体して棟札を見ると昭和33年1月10日 戎工務店が上棟となっていました。戎工務店だから十日えびすの日にしたのでしょうか?

昭和45年の大阪万博に向けて、部屋の窓の外を張り出して風呂を造ったようです。親父がステンレス製の風呂を自慢していた事を覚えています。
時代を経てかえって面白いのではないかと使い続けてきました。

北東の角部屋の欠点として、ボイラー室の音が聞こえる。
上下の音のクレームは無かったのですが、隣の部屋の音が気になるという苦情はもらっていました。

その1階部分3室と2階部分の3室を使用して、温泉付きのスイートルームをつくる事にしました。3室を1室にすると廊下の部分も取り込めるので、単純に3室の面積を足した以上に広い部屋が出来ます。

afterコロナは・・・

コロナ感染症が流行して我々の観光業も変わってきました。
食事処は個室化へ、宴会場を潰して個室食事処をつくる所が増えてきました。
大浴場を潰して家族風呂を複数作るという流れになってきました。
家族風呂より部屋に風呂があれば良い。当然温泉でないといけない。露天風呂だとなお良い。
施設を整備して、高単価にして、従業員の給与を上げる様にと、補助メニューをつくってくれています。

街中で食事して寝るだけ・・・という素泊まりの宿より、コロナ期はおこもりの宿の稼働が上がりました。街中のレストランが休業していたことも影響が大きかったと思います。

今までの流れと変わってきた部分と一時的な状況の部分もあります。

そして円安の傾向を考えるとインバウンドが戻ると、さらに日本の観光の魅力度は上がります。

またコロナで海外に行けなかった人も、もう日本で良いか?という事にもなるかもしれません。

いずれにしても施設の高付加価値化は必要だと思います。

このような使い方を・・・

宿泊施設の価格を決める一つの目安として部屋の大きさがあります。つまり1㎡いくらかという事です。

例えば東京だと普通1㎡1000円ぐらいです。新しく出来た京都のホテルの定価は1㎡1200円の設定だったと思います。

130㎡あるというと、単純に部屋代は10万円~15万円ぐらいになります。
2名で利用すると5万円から7.5万円。これに食事代が加わりますので、1名7万から10万円になります。
現在の御所坊の天楽タイプの部屋の倍の料金になります。
部屋のスペースも倍以上あります。

もちろんお2人でゆっくり泊まりたいという方もおられると思いますが、2世代、3世代のご利用が良いんじゃないかと考えています。

今まで自分の年代に合わせた宿を考えてきました。

現在60代後半。息子たちが40代前半。孫は小学生前後です。

もし一緒に旅行に行こうとすると私が支払う。
午後3時にチェックインして夕食までを孫たちや息子たちとどう過ごすか!?
部屋の温泉は、男性組と女性組に別れても、大人2~3名と子供2~3名が一緒に利用できる十分の広さを確保しています。

ベットルームと和室があるので、2組は十分就寝していただける。もし必要だとすぐ近くの部屋を就寝するときだけ利用するつもりで利用してもらったら良い。この部屋は改修していないのでリーズナブルな料金で利用してもらえる。

そして3世代で利用してもらう仕掛けも用意しています。

1階の方は、4世代。90代の老夫婦も加えて・・・
という事も可能にしています。
その時に使いやすい仕掛けも用意しています。

優位性

有馬温泉の中心部に高温の湯が湧いています。
その高温の湯をパイプで引湯している宿は数少ないのです。
そしてパイプは詰まりやすくメンテナンスは大変なのです。

御所坊は泉源からの距離や高低差など有利な条件にあると思っています。

今回各部屋に温泉を供給するために、高架水槽を直圧式に替えました。
水道水を建物の上の方の階に供給する為に受水槽を設けます。そして建物の高い所にも水槽を設け、この高い所にある水槽から水道水を供給するのです。これが高架水槽です。
高架水槽は太陽光にさらされていますし、屋外です。定期的に点検して清掃を行わなければいけません。
今回、この高架水槽を廃止し、受水槽にポンプを設置してポンプの力で高い所の階まで水道水を送ることが出来るようにしました。

御所坊の高い所に塔を建てて高架水槽を設けていました。
これを撤去する事で外観も良くなりました。
そして清掃の必要もなくなり、水道水をより良い状態で提供できるようになりました。

高架水槽は撤去しましたが、もともと何トンかの水道水をためておく為の重量に耐えられる構造だったので、その場所に温泉タンクを設置することにしました。
御所泉源より御所坊は低い所にあります。ほんの少し上げると御所坊の一番高い所まで温泉をあげることができます。つまり新しく設けた温泉タンクに湯を入れることが出来るのです。

温泉タンクに湯を入れることが出来ると、配管さえすれば御所坊のどこの場所にも温泉の湯を供給する事が出来ます。

独自性はあるか!?

有馬の温泉が部屋で楽しめる部屋は数少ないと思います。
御所別墅も部屋で温泉を楽しめますが、比較すると浴槽の湯量が7~8倍違うと思います。
つまり部屋に温泉があったとしても最大2名で利用するのに最低必要な量分しかないと思います。
家族で入ることが出来るように浴槽は2m×2mぐらいありますので、2名だと手足を伸ばして十分に、家族だと4~5人入ることが出来る・・・
おそらく有馬では初だと思います。

これはご夫婦やカップルを対象に、部屋での露天風呂や温泉風呂が考えられていると思うからです。

部屋の作りも、家族で過ごせるように、お2人だとゆったり過ごせるようにしていますので、スタイリッシュというより従来の旅館の部屋の不要な部分を少なくし、必要な部分を付加したつくりだと考えています。

それは現役の有馬の旅館の主人としては高齢者の部類に入っているからかもしれません。そういう視点で部屋作りをしています。

どうやってアピールするか!?

ターゲットは、家族で1泊で20万~30万払える人・・・・
我家の家族だと2組の息子夫婦と孫4人で30万+飲物代ぐらい・・・
になります。

御所坊で年末年始を家族で過ごされて支払いをされる方のような人に、どのようにアプローチするかが課題だと考えています。


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