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催し

パリでは盛大にオリンピックが催されていた。今年ほど観た年はないのだが、中でもスケボーの逆転優勝はテレビの前で思わず声を上げた。隣の住民の声も壁を抜けて聞こえてきた。壁が薄いから。しかしこの記事はそれとは全く関係のない日常生活における、もよおし。トイレの記事である。

さて皆さんは自分の身の周りにいくつのトイレをストックしているだろうか。そこが何%ぐらいの確率で入れるか、意識しているだろうか。モヨオシは予期せぬ時に突然やってくる。まるで災害だ。その時の駆け込み寺を用意しておくことはQOLを高めるために重要な取り組みといえる。

まず筆頭にあがるのは、駅かコンビニである。
だが駅の競争は激しい。利用者が圧倒的に多い。朝のラッシュ時など大に入れる確率は皆無に等しい。そして待てど暮らせど一向に出てこない。あれは一体何なのか。中で閉じこもって論文でも書いているのだろうか。これは小論文だけど大してます、ってバカやろう。とにかく一生出てこない。

これを解消するために一つ考えがある。それはトイレの有料化である。もちろんすべてを有料にするわけではない。一部をするのである。緊急性の高い人は列の短い有料に並べばいいし、余裕のある人は今まで通り並べば良い。要は(用は)分散させるのである。順番に並んではいるが、緊急性の高い人が優先される社会の方が環境に優しいと思う。

ではいくらが適正か。100円200円ではほとんど効果がないと思うので500円はどうか。このくらいなら毎回使うのはシャクだし、かといって緊急事態なら払ってもいいと思える金額なはずだ。(PayPayも使える)
この肝は、時間制である点。払ったんだから論文書いてもいいだろ、とならないように3分でブザーが鳴る。そこで延長するか決める。トイレに1000円も2000円も使う物好きなどいないだろうから、我慢している側はあと3分だけ踏ん張ればいい。トイレなだけに。とにかく、分からない時間を待つほど長いものはないのである。3分500円は完全にぼったくりだが、これで救われる人は確実にいる。

話が変わって祭りのシーズン。花火大会の仮設トイレは長蛇の列になる。何年か前に行った現場では男性用と女性用が同数設けられていた。しかしあれはナンセンスである。女性の方が男性に比べ3倍近く並んでおり、いたたまれない状況であった。これを解消するために、またもや有料トイレが活躍する。設置数があらかじめ決められているのならば、男性用トイレの何個かを有料化して共有トイレにする。全体のバランスは女5男3有料2ぐらいがいいかもしれない。知らんけど。

続いて本屋。本を眺めていると突然トイレに行きたくなる現象を「青木まりこ現象」と呼ぶ。本屋の人間なら当然知っているこのアオマリを看過して、設置していない時がある。ウソでしょ?なんとなく買おうかな、どうしようかな、みたいなどっちにも振れるような時にモヨオシが、よお!とやってきて、トイレに行きたいからやっぱりいいや!となった経験は一度はあるはず。下手すれば一冊分の売上にもなるので有料トイレを検討すべし。

有料トイレはこの辺にしておいて、飲食店での話。店員がトイレにいくことを三番行ってきます、というマナーがある。店によって取り決めは様々だが、その店では三番までしかなく、新人アルバイトが四番行ってきます。と言ったため、あいつどこいった!?となったらしい。
微笑ましい。

お次は自身の体験談。学生時代、アルバイトをしていた居酒屋の隣の店がラーメン屋だった。店同士が密着しており、扉を隔ててトイレが中でつながっているという変わった構造をしていた。ある日常連のおじさんが扉を開けて入っていった。しかししばらくしても帰ってこない。やがて扉が開き、驚いた顔をして出てきた。

なぁ、聞いてくれよ!トイレ出てドア開けたらよ、違う店になってたんだよ!夢でもみてるのかと思ったよ!!

思わず嬉しくなって、何屋でした?と聞くとラーメン屋だったんだよ!と返ってくる。寿司屋の時もあるんですけどねというと、からかうなバカやろうとツッコまれる。このやり取りが好きだった。

ラーメン屋にしてみれば、いきなり顔を真っ赤にしたおじさんが登場するのである。異世界に迷いこんだおじさん。あっ!!となったあと恥ずかしそうに帰っていく。その背中をラーメン屋サイドから見守りたい。丸くなった背中を。この現象はしばしば起きていたのでワープおじさんと呼び親しんでいた。

最後は敬愛するコンビニの話。
やはり駆け込み寺として不動の人気はコンビニではないだろうか。最寄りや勤務地の周辺で借りられるところをブックマークしておいて、空いている可能性が高い店舗からあたる。しかし一つでは物足りないので、候補は2つ以上あるのが理想である。

街ブラが好きで、面白そうな店を見つけるたびについつい入ってしまうが、そこが貸してくれる保証はない。そもそも無いことすらある。そんなときに助けてくれるコンビニには頭が上がらない。感謝のあまりついついハイボールを買ってしまう。

コロナの影響も相まって、都内でも貸してもらえる店が少なくなった。これは衛生上という名目だが、本当は利用者の使い方が酷いからだと思う。そんな風に使うならもう貸さないよ、というオーナーの声が聞こえる。無理もない。自分がコンビニのオーナーだったら絶対に貸さない。不特定多数の人間ほどアテにならないものはないのである。なので綺麗に使いましょう、というのがこの記事の雑な締めくくりです。


そろそろもよおしてきたのではないでしょうか。

ちなみにこういう駄文を見て、もよおしてしまう現象を石川ごうし現象とは呼びません。

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