『BEAT'S SO LONELY』
今日はテキサスより。
『チャリ坊って何だよ?!』
まだ17歳と若かった為か、日本のメディアに付けられたニックネームは、あまりに幼稚過ぎた。
それはもはや『親近感』を通り越して『馬鹿にしているのでは?』と訝しむ程に。
デビュー時の、センセーショナルで少しデンジャラスなイメージは霞と消え、残ったのは黄色い歓声だけだった・・・
『チャーリー・セクストン』
テキサスが生んだ次世代ブルーズ・シーンを担う若き逸材だ。
デビュー前から既にドン・ヘンリーの作品で客演していたりと、そのギタリストとしての実力を発揮してはいたのだが、デビュー時に於ける華々し過ぎる御膳立てが、その秘めたるポテンシャルを曇らせてしまったのは、本当に残念無念と言うしかない。
先ずソロアルバムのサウンドだ。
鳴り響くドラムマシーン。
確かに当時のトレンドだが、果たしてチャーリーの楽曲に合っているだろうか?
嗚呼、ドラムマシーンの無機質で単調なサウンド処理が、楽曲の魅力を削いでいく・・・
本来ならもっとナチュラルなプロデュースの方が合うだろうに。
そして終いには・・・
『チャリ坊って何だよ?!』
最初は注目していたロックファンも『何だ。ただのアイドルか。』と次第に離れていく。
違う。違うじゃないか。
テキサスが生んだ次世代ブルーズ・シーンを担う若き逸材だ。
ボブ・ディランのギタリストとなり、キース・リチャード、ロン・ウッドと共演、後に
スティーヴィー・レイ・ヴォーン亡き後のダブルトラブルとアーク・エンジェルを組む。
それが本来のチャーリー・セクストンだ。
アイドルじゃないんだよ。
しかし、刻既に遅し。
誰だよ。『チャリ坊』なんてつけたのは?
もはや愛称じゃない。
『呪い』だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?