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ジョグ論

■ジョグ論

今回のこのジョグ論では、 レースで結果を出すためにトレーニングとして用いるジョグについて書いていきます

■ジョグの定義は?その速度について

はっきりときめたいのでキロ何分とかではなく
【運動生理学上でいうLT1以下の速度での走り】と決めています

人間は走ると 乳酸というものが生み出されていくんですが
ある一定の速度を超えるとじわりじわりとたまり始めます、この一定の速度のポイントをLT1といいます
つまりLT1以下(ジョグの速度)で走ると乳酸は蓄積されません
この速度は選手によって異なりますが、
入門者にとってはキロ6〜7分とかそれくらいのゆったりペースになります

そしてそこからさらに速度を上げて またある一定の速度を超えると、こんどはガンガン溜まり始めます
このポイントをLT2といいます
(一般的にLTといいますとLT2の事を指します)
(また、一般的にはLT2の速度は、ある程度鍛えた選手が60分維持できるくらいの速度と言われています)

繊細に身体を感じながらゆっくり走ると
あきらかにきつさの感じが変わる地点、
乳酸がじわりじわりと溜まりはじまる地点がわかると思います

私の場合は散歩ときつさがそこまで変わらないペースを目安にしています

■1・ジョグは長距離走・長距離トレーニングの基本であるという意味


ジョグとは何か?
そう問われると「長距離走の基本である」そういう風に答える人、そう考える人がほとんどであると思います

長距離走の基本としてリラックスした走りのなかで
・基礎的な持久力を作っていく
・フォームを良くしていく
・着地衝撃に対する耐性をつくる
こういった効果が期待されます

ただ、私の考える基本としての意味はちょっと違っています

まず大きく大事に考えている点は
「ストレス(の元である乳酸)を溜めない快適な走り」
であるということです

つまりジョグの速度を乳酸の蓄積がないLT1以下の速度と設定することで
身体的・精神的に快適な走りが科学的に保障されるということです

乳酸蓄積のストレスがない快適な走り
この快適な走りというものが、長距離走の大きな基本であると考えています

その快適な走りであるジョグを積み上げることで
走る・長距離のレースを走る・長距離の練習をすることへつなげていく
普通の感覚では 単なるきつい運動でしかない長距離走を
少しでも快適な状態で走り通すための基礎となるのです

走ることは快適なことであるんだ!というのを脳や体に覚えこませていく
そのような 大事な働きがあるということです

■2・コンディションつまり体調を整えてプラスの状態に戻すという働き

そして次に 重要視していますのは
「コンディションつまり体調を整えて、ストレスを中和しプラスの状態に戻すという働き」があるという点です

長距離走の練習というのは当然わかると思うんですが、ものすごいストレスが 体にも心にもかかります

その心と体にかかったストレス
それをどこかで 中和してやらないといけない
打ち消してまたプラスの状態まで戻してやらないといけないわけです

そのための働きを担うのがジョグであるといえます
(念のため説明しておきますが、ジョグをすることで直接的に肉体疲労が回復するのではありません、それだと永遠にジョグで回復しながら走り続けられることになります)

高負荷・中負荷練習(ポイント練習)で発生した心と身体に対するストレスを中和し打ち消してもう一回プラスの状態に戻していく働きがある

もちろん練習が終わった後にゆっくりするとか、夜にゆっくりするとか、睡眠をとるとか
そういったことでも練習のストレスは減っていくとは思います

そういったことで回復させるということはできるとは思うんですけど
ジョグ自体にも、練習で受けた様々なストレスを中和させていく、そういう大きな働きがあると思います

ですのでトレーニング全体でのジョグの割合が少ないのは
心身ともに かなり危険な状態と思います

■まとめとしての3 1と2を成立するためにはジョグはLT1以下の速度である必要性がある

ここで大事なことは、最初に書きましたようにジョグの速度を
ストレスの元である乳酸を蓄積しないLT1以下の速度と設定しないと
先にあげた
「長距離の基礎としての快適な走りの積み上げ」
「コンデションを整えてプラスの状態へ戻す」
このような効果が期待されにくい事になります

もちろん人間には自然治癒力や、代謝の力、時間の持つ精神回復作用などがありますので
身体は時間と共に回復します
若い選手ならば若さの持つ力で回復します

ただそれでは、身体はやがて走ることを無意識のうちに拒否し始めます

「身体に走ることを拒否させない」
「身体に走ることを快適と思ってもらうことで長く選手生命を保つため」にもジョグをLT1以下の速度でおこなうことをおすすめします

それでは今日はここまでにしたいと思います
貴方の今後の健闘を祈っております


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