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なぜ作業所で醤油作りが始まったのか?

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京都府綾部市にある「あやべ作業所」さんが作る醤油・ぽん酢。

当店でもリピーターが多い、あやべ作業所さんの醤油。
作業所が醤油も作っているの!?と驚かれるお客さんが多いです。

あやべ作業所さんが醤油作りを始めたきっかけは、地元企業からの依頼でした。

綾部市には下着メーカー・グンゼの大きな工場がありますが、昔は今よりもっと規模が大きかったそうです。グンゼの社員だけで街になるほどで、社内に美容院、病院、専門店などもありました。そこの社員食堂では、オリジナル醤油が作られ、次第に地域で売られるようになったのが、綾部の醤油作りの始まりでした。
戦後、グンゼとは別会社になって醤油作りは続いていましたが、大手醤油会社が市場を占拠するようになり、小さい地方の会社では商売が厳しくなりました。そこで、「福祉事業であれば、醤油作りを続けてもらえるんじゃないか」と、あやべ作業所に打診があり、醤油事業を引き継ぐことになりました。

あやべ作業所では、少人数で醤油作りを行っています。
ボトルに醤油を注ぎ、蓋をしめる、水でボトルを洗う、ラベルを貼り、カゴに入れる。利用者さんと職員さんが流れるような連携プレーで次々と醤油が完成していきます。
あれこれ細かく言わなくても、職員さんが「一升瓶6本入れよか。次は500ボトル5本作ろか」と言うだけで、必要な道具を自分たちで用意して、仕事を着々と進めていきます。
話すことが苦手なので、お互い声をかけることはありませんが、アイコンタクトを送ったり、相手の動きを見て自分も動いたりしているそうです。瓶を洗う専門の人もいます。

職員さんによると「醤油の仕事が長い人は、醤油の仕事に誇りをもっています。他にもっとできる仕事もあるけど、ずっと醤油を作っていて職人という感じ」とのこと。
醤油会社から受け継いだ道具には、綾部の醤油作りの歴史が刻まれています。その道具を使って黙々と働く姿はまさに職人でした。

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