AI・人工知能EXPO 秋 2023見学速報(2)
1.本記事の概要
2023年10月25日-27日に幕張メッセで開催されたAI・人口知能EXPO秋 2023については、(1)として見学速報https://note.com/goro555/n/n29c1d0c33cceを書かせていただきましたが、全て1本の記事にすると長くなり読み辛くなるため、泣く泣く切ってしまった部分を再度その2として記事にしました。
2. ROSETTE社の多言語名称照合AI
米国のROSETTE社は、生成AI以前から長く自然言語処理を研究しており、日米の出入国管理当局でも採用されている多言語名称照合AIです。
この技術は、母国語以外で表記されて表記の揺れが起こり易いパスポートの名称であっても、テロリストなどの危険人物を検知することができます。
特に、2013年ボストンマラソン爆弾テロ犯が米国に出入国した際に、少しの名称の揺れによって危険人物名称リストとの照合が出来なかったことを問題視した米国当局が、本システムを採用したことで有名となりました。現在では日本の出入力管理当局でも採用されています。
各国の出入国管理当局では、さまざまな国籍や言語の人々が訪れるため、正確かつ迅速な名称照合が求められます。ROSETTE社の技術を活用することで、より高いセキュリティレベルが実現されると期待されています。
これは、生成AI以前の技術を駆使しているシステムのため、生成AI出現により大幅に進歩した自然言語処理技術を使って更にどう進化するのかが注目です。
3. FRONTEO社のKIBIT労災防止サポートAI
国内勢ではFRONTEO社のKIBITナレッジシェアシステムの詳しいデモを見せて頂きました。このKIBITナレッジシェアシステムは、社外・社内の知識ベースと過去の質問・回答の蓄積を活用して企業の効率化とレベルアップを図るものです。
特に、デモを見ることのできた労災防止サポートAIでは、厚生労働省公開の過去の全産業の労災関連報告等とても人が読めない膨大な量の文書データを、生成AIが集約・解析し、ユーザーがその日の現場の環境(季節、気象条件等)や具体的作業内容をシステムに入力すると、過去の労災事例やこれに基づく災害リスクなどを抽出・提示し、効果的な注意喚起やリスク対策の実施をサポートしてくれるものです。
実際に、デモでは、本システムが文書や単語間の類似性・関係性をベクトル化することで、数値による類似事例の抽出が可能となることが示されました。
4. おわりに
最後まで読んで頂きありがとうございました。2回に渡り報告させて頂きましたAI・人口知能EXPO秋 2023報告はこれで全てです。
次は、2024年1月17日-19日にインテックス大阪でJapan IT Week関西が開催され、2024年5月22日-24日にはAI・人口知能EXPO春が東京ビックサイトで予定されています。
また、どんなAIの進化が見られるのか楽しみです。
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