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【観る】三笑亭可龍「ブラック可龍」第65回@新宿道楽亭

三笑亭可龍独演会
ブラック可龍 第65回
@新宿・道楽亭

トーク(お客が選ぶマクラ四題)
手紙無筆
〜仲入り〜
お見立て
佐々木政談

今に残っている古典落語の演目は、物語の骨子はしっかりしているので、あと人物さえしっかり描ければ、噺として完成される。

だがそれが難しい。

いわゆる所作も、言葉もテクニックであり、落研などで経験があれば、例えば素人で歌が玄人はだしの人がいるように、ある程度聴くことが出来る。

だがそれ以上のものを求められた時、つまり人物、人間を描くとなった時、そこには芸が必要となる。芸は芸人自身と人生観と人間が求められるからだ。
さて今日の可龍師匠の三席、滅多にやらないネタ、とことだったが、そこにはいつもと変わらない、師匠独特の可笑しみのある三席だった。

師匠の高座を見るたびに、上で書いたようなこと、落語に対する思いと人間性に裏付けられた芸を味わうことが出来る。

凡庸な芸人が使うような飛び道具を使わないので、大爆笑ということにはならないけれど、笑いどころで思わずニヤニヤしてしまったら、師匠の落語のツボにはハマったという証拠である。

こういう師匠の高座がもっと多くの人に知ってほしいと心からそう思う。

蛇足。そういえば今日の三席、先日の国立名人会で一緒になった白酒師匠の得意ネタ。ということは雲助一門のネタでもあるけれど。

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