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【エンジニア向け】顧客訪問のすすめ

自分が開発、製造した製品を使う顧客の下に行こうと思ったことはありますか?



私の中ではエンジニア、設計者の皆様は
対外的に臆病な方が多いイメージがあります。

対外的というのは、基本的に社外のことです。


顧客の下に行くのはもちろん、
自分が顧客側で協力企業に何かを依頼するときでも仕事が遅くなるような人がいます。



私が製品開発のマネジメントをしているときのその例です。

・設計者から設計変更の内容を伝えられて、
業者にメール出しといてと言われた。
(いや、できるけど、それはやってよ)

・設計者に業者に見積もりを取ってとお願いすると、
データは渡すから勝手にやっといてと言われた。
(いや、本業とは違うやろうけど、やってよ)

・変な設計者に「そんな話、業者に聞けるんか。
聞けるなら聞いてみぃ!」と言われた。
(いや、普通に聞けるんですけど!!何の脅しにもなってないんですけど!!)

っと何か外向けに対して、すごいハードルが高い人が多い気がします。


(ただ、この対外的に臆病な設計者たちのおかげで、
開発に関する外向けの雑用は誰にも負けなくなりました。また、この雑用を請け負うことで製品開発のプロジェクトとしての流動性は結構上がります。)



ものづくりに関わる対外的なやりとりについて、
絶賛経験中の私から、エンジニアは顧客の下に行こうぜっということを書いていきたいと思います。



顧客に行くメリットは以下です。


◎日々の業務の刺激


何か新しい技術に触れていたとしても、
設計や評価、検証というものづくりのプロセスからは逃れられません。

だから顧客のところに行くという出張をして、
リフレッシュしましょう。
そこから何かすぐにプロジェクトが動くわけではないので、単発で楽な気持ちで行けます。

そして、顧客からその場で質問されたなら儲け物です。

「へ?そんなことも分かってないの?」っという質問でも答えれば、感謝されます。

たまに出張ばかりしているエンジニア系の中年の人がいますが、これは社内で感謝され難くなったので、自尊心を満たすために顧客の下に行く人もいます。

だから、エンジニアは顧客の下に行きましょう。


◎開発に対する考え方が変わる


要求仕様書を自分で書いて…から製品開発、設計を始めたことはありますか?

何でこの機能を開発しないといけないのか、
何でこの機能を設計しないといけないのか、
誰かの説明を聞いても「ふーん」っとなるだけです。

顧客の下に行けば、自身の仕事の意味合いをよく知れますし、顧客の要求を自分のアイディアでさらに昇華できるかもしれません。

また、ユーザビリティを意識できるようになります。
つまり、より多くの人に使ってもらえるかもしれません。

自身の担当している製品の考え方が変わります。


だから、エンジニアは顧客の下に行きましょう。


◎社内での説得力が増す


製品を開発していると、開発に対して自部門や他部門のメンバと意見の衝突が起きることもあると思います。

そのときに顧客の要求を知っていれば、
それが最優先されます(正しいかは別として)。

製品は顧客のために作るので、
顧客の要求を蔑ろになどできません。
ビジネスとして利益を上げられないからです。


そのため、ただただ顧客の要求を言うだけで、
「アイツの意見は正しい」と言われます。


何も仕事していないのに何か仕事できる風なインパクトがあります。


だから、エンジニアは顧客の下に行きましょう。


◎協力企業と顧客の違い


冒頭でも書きましたが、
エンジニア、設計者は業者との対応はあるため、
「別に対外的にコミュニケーションはあるしな」っと言う人がいます。

いや、業者への対応と顧客への対応のコミュニケーションの仕方は全然違います。

想像はつき易いかと思いますが、
丁寧な対応が求められますし、
社外秘などもあり製品の中身の話をできないことがあります。

何より、依頼、指示する立場と、される立場では主導権は顧客にあるので自由に動けなくなります。

また顧客により対応の仕方も異なってくるため、対応の仕方をルーチン化できません。

自分がいつものやり方で業者に仕事を依頼するルーチンのように、顧客対応をルーチン化することは難しいです。
逆に色んな顧客から、それぞれのルーチンワークを押し付けられます。

なので、業者と顧客に対するコミュニケーションの仕方は全然違います。


ただ、これを経験すると、
自分の業務に対する考え方、意識も強制的に変えられますし、何よりコミュニケーションにバリエーションが生まれることになります。


日々、社内で何かを黙々と開発、設計するのも良いかもしれませんが、何か刺激を求めるならただ顧客の下に行くだけで良いかもしれません。

つまり、スキルが身につかない→転職だ!っとなる前に顧客の下に行けば刺激は得られます。


だから、エンジニアは顧客の下に行きましょう。


◎自分話


昔は顧客の下に行くのは本当にイヤでした。

何がイヤって顧客に「わからない」というのがイヤでした。わからないと言うことが恥ずかったです。

何よりネガティブ要素がある未知のモノに触れに行くような感覚で恐怖が大きかったです。


また同僚などからお客様の話を聞くと、怒られたなどネガティブな話しか聞かなかったので、そんなとこに行くのは本当にイヤでした。


けど、慣れました。


こういうのは強制的にその場を経験するしかありません。


最初はビクビクしながら、事前準備をしっかりして顧客訪問をしていたのですが、今や準備しなくって行ったらどうなるのか?というような条件出しまでできるような心持ちになっています。


知識のベースがあれば何とか乗り切れますし、ベースが無くても「コイツ何しに来たんや」と思われて終わるだけです。


結局、自尊心を傷つけられたらどうしようという不安が大きくなりすぎるので、顧客の下に行きたくないのかなと思います。
ただ、たまに会う顧客ならどう思われても別に良いですし、何度も会う顧客がイヤなら担当を変えて貰えばそれっきりです。



自尊心を気にするなら、社内であって、社外で自尊心を気にする必要はありません。



私はエンジニアの端の端のような人物ですが、
顧客の下には行きまくっています。

もちろん、しどろもどろになって恥をかいて落ち込むことが多いですが、落ち込むのも5秒くらいになってきました。


日々の仕事の中で関わり続ける人間関係ではないからです。


また自身のキャリアとして、顧客とのコミュニケーションスキルが得られれば、自身の強みである製品開発のプロジェクトマネジメントの技術と掛け合わせることで、ものづくりの全工程のフォローができるようになります。
顧客要求を聞いて、製品企画の立ち上げ〜出荷後のアフターフォローまでの全工程です。


ものづくりの全工程をフォローできれば、
新規事業案件に手を出せるのかなと思っています。


この辺のキャリアの話は以下記事に書かせて頂いています。
いや、迷ってるやん!というツッコミのある記事です。
↓↓


顧客の下に行けば、エンジニア、設計者としての技術を高めるキッカケを得られますし、そうでなくてもものづくりの幅も広がるので、顧客の下に行ってはいかがでしょうか?

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