脱糞にかかるコスト
たまにある、出先での便意。電車の中とかもう最悪。乗ってる最中に催したとき、人はとりあえず駅まで我慢する。
駅のトイレへ。駅のトイレまで耐えれば勝てると、多くの人は踏む。私はどうだ?アナルと相談した結果、この薄い望みに縋るしかなさそうだ。
階段が肛門にキツイ。かといってエスカレーターは遅いから別ベクトルでキツイ。耐え、トイレに駆け込む。見えたのは無常にも固く閉ざされたドアと、ロックを示す「赤」。
分かってましたよ…。
現実は非情だ。
駅にて肛門に集う難民を開放してやれなかった私は、どこの駅前にも大体あるコンビニ(一軒のやつ)へ向かう。ここで駄目ならもう耐えられない。
あっスシ…シマッテナイ?
シマッテルネ。オイラノアナルモ、イマギッチギチダケド?
今日はほんとうに最悪の日かもしれない。
幸い波が穏やかになり、少し待てるくらいの余裕はあった。ただウンコボックスの空きを待つ勇気は、恥じらいとともに己を飲み物のコーナーへ向かわせてしまう。だってコンビニって積極的にウンコしていい場所ではないからね?お前だよ!!!!聞いてんのか!!!俺がウンコしたい時に空いてない便所なんて、ないのとおんなじなんだよ。
飲み物買ってないからどうせ買うんだけどね、ウンコの後に。おっ、空いた。行くぞ~…
……
…先に入られました。リーマンに。コンビニ脱糞リーマンに。
許せない。
駅のトイレも、コンビニのトイレも主体的にウンコをしにいく場所じゃないのに。その魂胆が許せない。使用中のトイレはシュレディンガーの脱糞野郎状態だから、中にどんな主義主張でウンコしてる奴がいるかは確かめられない。認知できないからである。
だから、あえて私は言う。駅のトイレでウンコしてる奴は、全員等しくカスであると。
ウンコが漏れそうなとき、人はとんでもなく横暴な思考になる。今の私がまさしくそう。「脱糞」がすべてのタスクの上位に立ち、本能で便所を探し彷徨うウンコバーサーカーである。他のウンコしたい奴なんかどうでもいい。むしろ漏らせば?家でウンコしてこなかった君が悪いんだよ?と劣悪な思想に支配される。
思いやれないのは、トイレでの脱糞失敗が「死」に限りなく近いからだろう。いや、死ぬのは怖くない。死んで終わりだから。でもウンコ漏らしても、私の命は、人生は、人間関係は、終わらない。
脱糞を許し合える社会を。日本脱糞党。
一周回ってウンコしたくなくなってきた私は、15分ぐらい歩いた先のコンビニで無事脱糞した。ここでウンコするのは3度目。ウンコスタンプラリーがあればあと二回の脱糞でホットスナック無料券と引き換えてほしいくらいである。ひとまず安心だ。遅刻とかよりも脱糞するほうがよっぽどやばいからね。
ただ、ここはウンコをする場所じゃない。ストアである。このまま自動ドアに向かうわけにはいかない。
コーヒーを買います。130円ぐらい。さっきウンコできなかったコンビニでもう飲み物買ったのに。爽健美茶110円くらい。健康っぽくて排便が促されるね。
おおおおおおお!!!コンビニで買いたくない!!!!
これはメチャクチャお金を捨ててる!!!!!!嫌だけど、ウンコさせてもらったからなにかは買うよ?????
駅なら完全タダで脱糞できるのにね!!!!
駅は大便器増やしてくれ…
◆おまけ
環境入り最悪シチュエーションを考えてみた。見て欲しい。
・移動中が最悪なのは、脱糞スポットがコンビニしかないからだ。お金が発生する。ウンコ代が。ウンコするのにお金がいるんか?報恩の精神と良心がそうさせる。いや嫌な気持ちにはなるけど、悪いことじゃないからいいんだけどやっぱり良くない。今回みたいにウンコンビニのはしごする場合は極悪。
・電車/駅は、正直問題ではない。タダでウンコできるから。空いてないことがメチャクチャ多いのに目をつぶれば。以上。
・図書館。静寂の地でブリブリできますか?できないから先に紙を落とし、アナル職人になってゆっくりウンコを落としていくしかないよね。
さもなくば明鏡止水、水の一滴が見えてしまうから絶対に先に紙を落とそう。
・ショッピングモールとかはむしろ積極的にウンコしていきたい。綺麗なトイレが多くてテンションも上がる。規模がデカければデカいほど、トイレもゴージャスに、綺麗になっていく。
イオンシネマ、実はうんちをしに行く場所だって知ってましたか?
おわり
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