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ウィロックの覚醒

今シーズンは序盤からある程度出場機会を得ていたもののイマイチな感があった彼。冬の移籍市場でニューカッスルに武者修行をするとこれまでの彼のイメージにはなかった爆発的な得点力が開花し、結果的には7試合連続ゴール、プレミア月間MVPという素晴らしい成果を得た彼を調べてみた。

※smarterscoutを使用、プレミア基準で調査

まずウィロックがニューカッスルで活躍した要因は当然だがアーセナル在籍時のスタイルとの変化がある

そんなわけでニューカッスルでの彼のパフォーマンスを見ると

出場時間は700分台と多くはないものの攻撃数値90超えと驚異的な数値
今シーズンのプレミアリーグで攻撃数値90超え(700分以上)の選手は
☑ロドリゴ
☑デブライネ
☑アントニオ
☑マネ

それほどにニューカッスルでの彼のパフォーマンスは素晴らしかった

また守備の質は平均的であるもの圧倒的な守備量が特徴的
スタイルを見ていくと、ボックス内でのタッチ、シュート意欲、キャリー意欲が旺盛であり紛れもなく推進力が最大の持ち味。
また空中戦の数値を見ても63と平均以上の強さを持ち合わせており空中戦での得点も期待できる。一方でリンクアップの数値の極端な低さが目立っておりパスをするなら基本は前進パスを選択する傾向

以上がウィロックの今シーズンのパフォーマンス及びスタイルだが、これはニューカッスルというクラブだから合ったという意見には納得。
というのも今シーズンのニューカッスルはパス数、保持率共に19位であり基本的に保持を捨てるチームであった。その中で得た少ないアタックチャンスは保持よりも前への意識が最優先になるため彼の推進力、ライン裏への飛び出しが活きたのは間違いない

では逆にアーセナル時代のウィロックはどんなパフォーマンスをしていたのか、今シーズンのウィロックと19-20シーズンとを比較すると

スタイルを見ると異なるのはシュート、ペナ内タッチ、キャリー意欲、リンクアップが挙げられる。つまりはアーセナル在籍時とニューカッスルでのウィロックのプレースタイルは大きく違うということ
単純な話ではないがニューカッスルでのウィロックのパフォーマンスをそのままトレースするならば、アーセナル在籍時のようにパスで繋いでゲームメイクをさせるのではなく積極的にライン裏へ顔を出し保持時はビルドアップよりも勝負ができる位置に彼を置いた方が良さはでるのではないか。

下の写真(赤囲み)を見ていただけると分かるが

これは19-20シーズンプレミアリーグでのウィロックが関与したxG(ゴール期待値)の内、受け手になった比率。
簡単に言うとウィロックが関与したゴール期待値の21%は彼のシュートによるもの。それがニューカッスルではどう変わったか…

見ればすぐに分かるが33%に上昇しています。つまり、受け手となったことによって彼の才能が開花したと言える。また、囲みの左(passing→ラストパス)が8%とアーセナル在籍時の20%から大きく減少しているのも、彼が出し手ではなく受け手としてプレーさせたこと要因となっている。

受け手としてシュートが増えただけではなく、彼には得点力という最大の武器がある。

写真は20-21シーズンのウィロックのシュートマップ。
ゴール期待値によって色分けがされているが、塗りつぶされた箇所がゴールになったシュート。見てもらうとシュート期待値0.3以上の箇所(緑、青)のシュートをほぼ全てゴールにしていることが分かる

つまりニューカッスルで露わになった彼の最大の魅力は『前への絶対的な推進力とペナルティエリア内での決定力の高さ』だろう。

以上を踏まえたうえでアーセナルにウィロックをどう当てはめるかを考えていくと……最優先すべきはウィロックの良さを消さないこと。

ここまでの彼の特徴を述べると
①前を向ける位置でプレーさせる
②ペナルティエリア内に飛び込める位置に付けさせる
③リンクアップに特化させない

ここまで条件を出すと彼がプレーできる位置は恐らくIHだと思われる。

というわけで個人的に考えるウィロックを加えた4-1-2-3システムは

トーマスを底に置き、ESR,ウィロックを並べるという一見するとロマンしかないシステムに見えるが、それぞれの役割を並べてみるとあながちロマンだけのシステムにはならないかなと思う


雑な図で申し訳ないが敵陣侵入時の主な役割。
まずウィロックは先述した通り裏へのランニングをすることで彼の推進力を活かしたい&押し込んだ時のペナ内での決定力を発揮。
そして以前にもツイートしたが、私はぺぺをワイドに張らせるのではなく、ハーフスペースから内にカットインさせることによるストライカー化が最適だと推察してます

内にカットインするぺぺに対し、偽SB的な立ち位置を取るのはチェンバース。彼はフラムでボランチとしてプレーした経験があり、中央位置でのプレーはある程度計算ができ、機を見てワイドレーンを駆け上がり鋭角なクロスを供給できる。更にRCBに置いたホワイトの魅力はキャリー意欲。そしてCBながらクロス数が多く、チェンバースとの入れ替えも可能。
底に置いたトーマスの役割はパスでの捌きとネガトラ時のフィルター役。
左サイドに目を移せばワイドにはティアニーが鎮座、左ハーフスペースにいるサカは裏抜けも、受け手にも出し手にもなれる万能型。その万能型の7番と最も相性の良いESRを近い距離に置くことでサカへのスペースメイク役にも、ティアニーのプレーエリアも創造できる。そして最後にCFとして中央鎮座のラカゼットの魅力は基準点で輝けるプレー。1列下がれば代わりに裏に走るウィロック。


まあ、これは一端の極東グーナーの戯言です。
いずれにせよウィロック基準で考えると…私にはこれくらいしか思い浮かばないです。ウィロックCFって案もあるかもしれませんが、個人的には前への推進力が武器の彼なので、前を向けなくなるCFは個人的に疑問。

あとネヴェス獲得の噂も囁かれてるが、彼が加入したとするならトーマス、ネヴェス、ウィロックの3センター化も見てみたいと思う。

BIG6から勝ち点をもぎ取り、相対的にアーセナルを助け、ラカゼットのセレブレーションを真似して、アーセナルへの愛を示し、アーセナルが負けた日には自らがゴールを決めてアーセナルを励ます。

自信という最大の武器を得た彼は決してロマン枠ではないだろう。

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