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アーセナル所属選手のスタイルを振り返る(FW.CAM編)

さあ、開幕まで1週間を切りました。今回はアーセナルの選手(主力選手限定)のスタイルやプレーマップを用いて新シーズンに向けての新たな展望や起用法を提言できればと思います。






CF.オーバメヤン

昨シーズンは不調だったとかは置いといて、これまでと明らかに変わった部分があります。それはプレー精度の大幅な向上です。基本的に4-2-3-1のCFとして起用されたこともあり、これまでのウイング位置からフィニッシュ専念の役割から中央位置でレシーバーとなり基準点の要素も求められた事でプレー精度が上昇したのですが、これにはラカゼットの存在が非常に大きいものだと思います。長くなるのも嫌なので端的に言うと何でも屋さんのラカゼットの存在に引っ張られて同じポジションで出場した時にはラカゼットの影を追うようなプレーを求められてしまった。それによって従来のフィニッシャー専念とはかけ離れたスタイルになってしまい、思うようなシーズンを過ごせなかったとも思います。もちろん、母の容態が急変したり、自身のマラリア罹患等もあり一概にこれだ!と決めつけるわけではありませんが、少なくとも数値やプレー映像を見た私の印象としてはそう見えました。

プレーマップを見てもCFでの出場であるにも関わらず左エリアでのプレーが目立っているのが分かります。なのでオーバメヤンのCF起用に関しては以下の条件が必要であると考えます
①2列目にレシーバーを置くこと
②スミスロウとの縦関係は合わない

①に関しては、先述した通りラカゼットの影を追うプレーをしたことによって得点力が失われたのだとしたならば従来のオーバメヤンのスタイルに戻ればいいということです。しかしラカゼット的な存在が居なければそもそもオーバメヤンにボールを届けることはできません。なので、2列目にボールを受けられてラストパスも供給できる選手がいることが前提条件になります。現在噂に挙がっている中ではマディソンなんかは理想的な選手に見えますね。
②に関しては賛否が分かれると思いますが、スミスロウは中央エリアでプレーすることはほとんどなく左右のエリアにランニングし数的優位を作りながら中央のエリアを空けてくれるまさに黒子的なスタイルの選手です。そんな彼と親和性が高いのは中央エリアでレシーバーになれるラカゼットで、逆に低いのが中央ではなく左に流れるオーバメヤンです。つまり、スミスロウ&オーバメヤンの縦関係の場合、中央の軸が明確に失われるのでそもそもビルドアップから苦労する傾向が強いです。
ただ何でもかんでも違うというわけではなくスミスロウ&オーバメヤンの縦関係を使うとするならば、右か左のウイングが中央にズレてレシーバーの役割を担う選手がいるならば親和性はグッと高まります。これが現状のアーセナルの選手で出来るのはウィリアンです。自陣ではウイングとしての配置だが敵陣侵入後は中央エリアに位置を変える事でティアニーの攻撃参加を促し自らは中央からラストパスを配球する。恐らくアルテタが彼を獲得した狙いはこれなんだろうなとも思いましたが彼自身のクオリティが大きく低下したのは大誤算でしたね。
以上をまとめるとオーバメヤンの不調は皮肉にもスミスロウの台頭によって引き起こされた可能性が高く、左右が純粋なウインガーを配置する形を取るならば今期も不調が継続され、逆に左右どちらかに配置されながらアタッキングサードでは中央にズレてゲームメイクが出来る選手が居るならばオーバメヤンの得点力は復活すると期待します。なので彼の復活は新戦力の獲得に依拠する部分が大きいと思っているので、8月末まで引き続き市場の動向には注目していきたいです。


CF.ラカゼット



恐らく20-21シーズンはアーセナルでのベストシーズンだった印象です。しかしながらラカゼット自身の攻撃数値は減少傾向にあります。そちらに関してはこちらで解説してますのでどうぞ。

恐らく今季は昨シーズンよりもビルドアップの貢献度合いは減少すると思われる。その要因として考えられるのは、ホワイトの獲得やジャカの進化(中央エリアでのプレー)によりビルドアップに於ける選手のキャリー意欲や中央での人数確保が出来る為に、執拗にラカゼットが降りてくる必要性が減ると思うので。だからこそラカゼットに求められるのは間違いなく得点力です。ここ数シーズンよりも高い位置を取ることが出来るのかは焦点になってきます。得点力が明確に足りていない原因は中央エリアの高い位置を取れる選手が居なかったことです。もちろんラカゼットがビルドアップで相当貢献してくれたのは理解してます。だからこそラカゼットに代わるCFのターゲットを探しているのも分かります。いずれにせよラカゼットは最低限でも20-21シーズンのパフォーマンスを続けるのは絶対条件です。アーセナルがCL権を目指すために欠けている得点力はラカゼットで足りるのかは議論の余地があると思います


RW.サカ

攻撃数値はプレミアリーグでも相当なレベル。特徴を挙げるのが難しいくらいに何でもできる万能屋さんですね。

受け手としても良いし、出し手としても優秀、持ち運びもできるし対人で勝負もできる本当に素晴らしい選手です。ただ一つだけ彼の改善点を挙げるのならば得点力です。21-22シーズンに向けて現実的に見るならウイングにはぺぺを置いてIHにサカを置くのが個人的には丸く収まる気がします。が…サカ自身のこれからを考えると敢えてウイングに固執するのもうなずけますね。将来的にはスミスロウとサカのIHはリーグでも相当なレベルになりそうなので見てみたい気持ちはありますが。


RW.ぺぺ

シーズン終盤にフィニッシャーとしての才能に花が咲いた感があるぺぺ。彼の成長ぶりについてはこちらにまとめてます

今季はズバリ、チーム内得点王になってもらいたいと思います。ただ難しいのがプレシーズンでのLWのオーバメヤンの起用です。彼がウイングとして起用されているときはぺぺはチャンスメーカーの役割に変貌してしまう節があるので私としては左ウイングにゲームメーカーを獲得できればぺぺは間違いなくフィニッシャーとして開花します。これは断言したいです。そして何より彼に感じるのはアーセナルで適応しようと必死になってもがいているその姿勢が素晴らしいです。加入当初はサイドに幅を取って対人で勝負するザ・ウインガーとして起用されたものの、リーグ1と同じようには行かず苦しい時間を過ごし、ファンからの失望もあったと思いますが彼はその失望を努力で今まさに取り戻している印象です。あそこまで守備に奔走するぺぺを見られただけでも個人的には感涙ものです。私的な感情満載ですがぺぺにはぜひとも今シーズンはアーセナルの顔として引っ張ってもらいたいです。





CAM.スミスロウ

20-21シーズンのアーセナルを前後で分けるならば彼の出場以前か以後かで分かれてきそうですね。センセーショナルな活躍をしたわけでも、目に見える数字の貢献はないにもかかわらずスミスロウの存在自体がアーセナルに与えたものは相当大きかったと思います。スタイルを見ると分かりやすく攻撃数値が低いです。彼の特徴は得点に絡むプレーではなく、スタイルのリンクアップの数値から分かるように前後の選手を見事に繋ぐ潤滑油としての役割でした。

数値を見ても目立つのはパス成功率の高さです。リスキーなパスは選択せず基本的にリンクアップに特化していることが伺えます。しかし、効果的なパスが出せないというわけではなくキーパス数もリーグでは平均以上の位置にいることから21-22シーズンではよりゴールに直結するプレーを期待したいですね。プレシーズンを見てもシュート意欲が増しているのは伺えるので難しい目標ではありますが二桁ゴール&アシストを目指してほしいです。彼なら出来る素質があるはずです。


次回に続きます……

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