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ヌーノ・タバレスは何をもたらす?

ベンフィカからの加入がほぼ決定的となっているポルトガルの若きSBについてsmarterscoutを用いて調べてみた

※数値はポルトガルリーグ基準

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ポルトガルリーグ基準ならトップレベルの選手。攻撃数値が95以上であることから保持面での貢献の高さが伺える。
スタイルを見ると、圧倒的なまでのドリブル意欲、そしてペナルティ内でのタッチが目立つことから、ボールを持てば前進する意識の高さが分かる。ロングパスの意識が少なく、パス選択は基本はショートパス。深みをとってナンボの選手。非保持時の質は高くないものの、タックル意識が非常に高く、トランジション時の1stディフェンダーとしては計算できる。
非保持の対人も強いので晒されることは少ないが空中戦やポジショニングには難アリ。出場時間が長くないので整合性は正しくはないものの写真の通り、2シーズン連続で圧倒的な攻撃数値を記録している。

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ちなみにポルトガルリーグで攻撃数値を95以上記録した選手(過去5シーズン)を見てみると→グリマルド アレックス・テレス アクーニャがおり
テレスやアクーニャと同レベルだとするならそれだけで期待できる。
プレーマップを見ると目立つのはペナルティ横に侵入したときの圧倒的なドリブル意欲であり、この位置まで侵入したときは無理にでもペナルティエリア内に侵入しようとする

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またアタッキングサードに侵入したときはハーフスペースにも位置を取るのでサカとの親和性が高そうに思う。そしてティアニーのプレーマップと似ているのでティアニー的な動きも期待できる。

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ティアニーとタバレスのスタイルを比較すると

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ペナルティへの侵入やキャリー意欲の高さが共通してる
先述した通りプレーマップも似ており、ティアニー不在時の役割をそのままトレースできそうな選手がタバレスだと思われる。


ここまでは数値から彼がどんな選手か、そして通用しそうかを考えてみたがここからはクラブがタバレスを狙った背景について考えてみる。



まず今シーズン彼が出場した試合の86%はLSBでの出場となっておりRSBも出来るようだが全体の10%ほどしか出場してないことから恐らくはティアニーの控えと見るのが妥当かなと思う

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もちろん現状のアーセナルに於けるティアニーの存在は絶対的なものではあるが、シーズンを通してのフル稼働は期待できない。

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今シーズンもケガにより7試合を欠場しており、来季に向けての必須となる補強ポジションであったのは間違いなかったがここで若手のタバレスを獲得した目的としては
①攻撃的意識が高い(ティアニーのトレース)
②質の高い若手有望株
③言語面
これらの目的があるかなと思われる
①については先述した通り非常に攻撃意欲の高いSBであることからティアニー不在時の代役としてスタイル的に差がないことが挙げられる。
②にも繋がるがアーセナルに於けるティアニーの依存度は高いものの彼の稼働率には限界があり、不在時の左サイドからの攻略は期待できなかった。なのでティアニーに負けず劣らずの質の高さを持った選手を獲得する必要があったのは間違いない。言い換えれば控えという枠で考えず、レギュラー争いにも加われるようなレベルを求めたのではないかと。
③については彼は初の国外リーグ挑戦、英語のデキは不明だが恐らくは母国語であるポルトガル語を主としてプレーするのは間違いなさそう。となると隣のポジションになるLCBにはガブリエル、マリといったポルトガル語を話せる先輩がいるのは心強いと思われる。


私は以前、ガブリエルの言語面について言及したことがあったが

この問題は個人的な見立てでは解消されたと踏んでいる。というのも、皮肉なことにこのツイートをした後からはガブリエルは言語面でのパートナー不在でもプレーをしてるから(笑)
実際にガブリエルがどこまで英語が上達しているかは不明だが、言語面で孤立するパターンの試合だとほぼ失点していたのに対し、シーズン終盤には無失点の試合が続いたことから少なくともある程度の意思疎通は出来るようになったと思われる。

ダビド・ルイスに支えてもらった言語面は来季ヌーノ・タバレスを支えてあげるという立場に取って代わるのも面白い。


タバレスが加入しても、もちろんティアニーの序列は揺るがないが不在時のオプション、スタイル、言語面から見ても彼の獲得はティアニー不在時に欠けてしまった前線へのダイナミックな動きを担保してくれる貴重なピースになることは間違いない。仮にアーセナルが合わなかったとしても年齢を考えれば売却時の目途も立つであろう。

早く獲得してくれ・・・・

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