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言わない言葉

時々、雨にうたれながら
泣いてみるっていう
ヒロインを描くけれど
風邪ひいちまうと実行はない

一度だけ過去に、
わざわざ泣くという会にいき
(感涙?)
まわりが泣く状況に
妙に冷めていき泣けなくて

はたまた、ある日は
職場の研修で
心で話せば伝わるといわれ、
講師のかたが、
あなたには伝わったはずですと
当てられて適当に
研修内容から欲している言葉を
いってみた

素晴らしい、
そう心で思っていましたといわれ
多分なにを言っても
正解だった茶番さたるや。

逆の立場になると
分かったのだけど
研修をする側になると
速やかにターゲット二人きめる

逆パターンのふたりを
ゆさゆさしながら、
研修のリアルな説得ポイント
勝手にみつける

そしてわたしは、
ターゲットにもなりやすい
だんだん観念して
ターゲットほいほいになる

兄はわたしと360°回って
回ってから似ていると最近思う

兄はターゲットにはならない
感じてない感想はいわない
研修する側は絶対やらない

兄には雨の日に
家を出た産みの親に
4歳でいらないと
ついていくと掴んだ手を
身体ごと突き飛ばされたらしい

いまでも感触があって
雨の日は兄は機嫌がよくない

わたしには産みの親に対する
あとからの産んでもらった事に
わずかながらに小さく感謝しても、
雨の日にうたれてみたい位
空想的な世界にいける

いらない記憶はないのだろう
だけれど、こんなに雨が多い場所で
そのたびに苦しいなら
記憶など消えてしまえばいいのに
兄は大切にしているようにみえる

傷ついたからこそ、
愛されたいのか
愛された時間を覚えているのか

わたしは、そういう話は
24歳で知り継ぎ足された記憶で
継ぎ足されたおかげで
確かめようのないものに
長らく足を引っ張られてきた

いまだって
なんかの度に
その人がでてきて
わたしの足をひるませる

突き飛ばせるような人の 
子供であることが
いつか自分も冷酷な姿に
ならないか怖い

わたしと兄は回転しあって
ようやく時々向き合う
互いにたがいの世界で
くるくる回ってしまう
だから似ている

最近の兄の悩みは
娘が時々わたしに似ていて
抱っことかいわれると
一瞬わたしと重なり
最悪だと笑うくらいで

姪っ子がわたしに
似ていているか否かは
おいておいて、
兄が誰かを好きになって
家庭をもてたことを
一生言うつもりはないけれど
良かったと生意気に想う

空白のわたしが存在しない
四年間になにがどうかは
今さら聞く必要もなくて

継ぎ足された記憶は
嫌なことばかりで
それでも祖父母の愛情を
たくさんもらった

兄のさみしさは
埋まらないままだったなら
この先たくさん記憶が
上書きされていけばいい

嫌な記憶の継ぎ足しの先に
わたしは私でひそかに
去年の終わりに叔母からきいた

産まれたばかりだから、
私は親戚のうちの子に
だされる話がすすんで
父も記憶がない内からならと
一瞬はその方がわたしが
幸せだろうと諦めかけたらしい

だけれど
最後に兄がわたしを
離さなくて
自分の妹だからと
かたくなに離さなかったから
今があるという話

突き飛ばされたのに
傷ついている真っ只中で
離さなかった兄は
もう失いたくなかったのかな

ただ知らなかったから
ド派手に喧嘩したり
そりゃ可愛くない妹で
ちょっと申し訳なくもあり
知らなくてもよくて
今知るから良かったとも思う

2人とも極端すぎる

一周回って似た者同士だ

わたしが出来ることは
変わらずに存在し続ける
傷ついても、離さなかったなら
その、事実だけでいい

わたしは、
最初から望まれない、
歓迎されていなかったと
たくさん勝手に考えては
傷ついてきたけれど
実際は愛情満タンに
まわりにしてもらってきた

その事実が、
単なる継ぎ足された記憶に
負けてしまったなんて
悔しいし、悲しむよな。

父は亡くなる直前まで
二人しかいない兄妹だから
親戚もほとんどいないから
どうか助けあっていけと
言っていたのだけど。

本当なら助けるような
出来事がなく
口喧嘩できているほうがいい

ただ、もしも
助けるような日がきたら
きっと頑張るよ
父にそれくらいしか
言えなかったけれど

来月には
そんな父が亡くなって
一年が経過する

はやいな、
めでたくもない一年めだけど
きっと育ての母、兄、わたしが
その日に笑っていたら
父は喜ぶのだろう

だけれど
わたしたちは絶対
口喧嘩になる

それがコミュニケーションで
口喧嘩なくして、
仲良しこよしなのは
残念ながら互いにゾワゾワする

ただ言ってはならない言葉は
ちゃんと
そろそろ考えて
わたしの頭が動きますように

一周忌に相変わらず
口喧嘩する気持ちしかない
きたるその日に備える

ため息つく母を横目に 
変わらない姿で互いにいたら
父は苦笑いしながらも
良かったとみてくれると
わたしは空想ができるから
そう想うことにしたい

誰かの傷は
だれかのもの

わたしの傷は私の。

だけれど
上書きで傷つけない
未来を描くことで
よしとしたい

やっぱり雨にうたれてこようか

そう思いながら、
うたれにいかない
雪もあるし寒いもんな

結局我が身は可愛いのだ

雨にうたれないかわりに
このnoteにひそかに残そう


ありがとう