【セミナー参加】ディシプリンド・アジャイル概説
どんなセミナー?
2019年にPMIが獲得したディシプリンド・アジャイル・ツールキットは、意思決定ツールとして、従来のアジャイルフレームワークとは異なる形で、あるいはそれらを補強して、アジャイルな働き方を実現するものです。
このセミナーでは、最新版に基づく概要と、日本のアジャイル現場での適用のポイントについて、解説されていました。
日時
2020年 7月21日(火)18時30分~20時40分
対象者
開発チーム・リーダー、プロジェクト・マネジャー、PMOメンバー、開発部門の管理者など
講師紹介
ANDsLab (あんずラボ) 藤井 智弘(ふじい ともひろ)さん
何を期待した?
ディシプリンド・アジャイルについては初めて聞く内容であったので、その概略理解と、どんな意味はあり活用できるのか?を知りたいと思いました。
何を学んだ?
・ディシプリンド・アジャイル・ツールキットの概要
・ツールキットの概要とともに、日本のアジャイル現場での適用のポイント
セッション構成
・その背景
・ディシプリンド・アジャイル(DA)の世界観
・ITライフサイクルをちょっと深堀りする
・日本の現場にとっての意味は何か?どうだった?
ディシプリンド・アジャイルの歴史
IBMのソフトウェア開発部隊をアジャイルにするときの手法
スクラムとは
・階層型でなく専門性の共同作業 実地経験主義的なアプローチ
・自己組織化、発生したことから知識を得てフィードバックする
スクラム=多様性を知識創造のエンジンとするもので、
少人数の知識創造のフレームワークである。
IBMの環境では
・すでにお使いいただいてるお客様 が世界中にいる
・すでにお使いいただいているソフト ウェア資産がある
・以前から投資され蓄積されたノウ ハウや資産がある
・サポートをし続けながら、アジャイ ルへの転換を図る
すでにインストールベースがありサポート続けるなかで、組織をアジャイルに変えていく必要
→リーンスタートアップにおけるスクラムと同じでよいのか?
ディシプリンド・アジャイルの背景となる問題意識
□プロジェクトによって異なる文脈を、単一のフレームワークで対応することには無理がある。
□経験の浅い実践者にとっては、文脈に応じた意志決定を求められても、判断の材料がない。
その上、実践者の習熟度が上がれば、文脈そのものが変わり、判断も影響を受ける。
□実践者は、「アジャイルができれば良い」のではなく「プロジェクトを成功させる」ことが求められる。 システム開発も、企業業務の一つであり、守るべき規範や既存の資産を無視していいわけでは ない→コミュニケーションのスコープは“拡がる”。
□アジャイルの良さをスポイルしないためには、軽量なガバナンスモデルが必要だ。
ディシプリンド・アジャイル(DA)の世界観
もともとは大規模向けではない。
そもそも小規模か大規模かの前に、用意すべき“規範”である。
コアアジャイルにプラスして、デリバリーにフォーカスしてアウトカムを生み出すことを目的としている。
小規模からはじめ、規範をまず定める
・デリバリーにフォーカス
・リスクと価値駆動のライフサイクル
・適切なガバナンスの下での自己組織化した組織
・ゴール駆動
・エンタープライズ対応
ディシプリンド・アジャイルの原則
スクラム
TO-BE かくあるべしを重要視する
ディシプリンドアジャイル
AS-ISからTO-BEをにするときに何を変えないといけないか?
コンテキストが異なればアプローチも変わる。
体系化された選択肢でいち早くアクショ ンを取る。
Delight Customers「顧客を大喜びさせよ」
• ”顧客のニーズに応える”だけではなく、期待値を”超えろ”。
Be Awesome「最高であれ」
• 最高の成果は最高のチームから生まれる。 Pragmatism「実用主義」
• 単なるアジャイルであるだけでなく、できる限り効果的になろう。 Context Counts「コンテキストが重要」
• 同じ文脈(≒プロジェクト、現場)は2つとない。 実際に直面している状況を考えよう。
Choice is Good「選択は善である」
• コンテキストが異なればアプローチも変わる。体系化された選択肢でいち早くアクショ ンを取る。
Optimize Flow「フローを最適化する」
• チームは相互作用をするので、個々のチームではなく全体のフローを意識する。
Enterprise Awareness「エンタープライズ環境を意識する」
• ”企業”を意識することで組織目標に積極的に貢献するよう動機付けされる。
素朴な疑問
・スクラムが主流なんだし、スクラムで十分じゃない?
・リーンカンバンとか色々なプラクティスがあるけど、
使い分けは意味があるの?
プロジェクト/プロダクトは、進化し、自分たちを取り巻く文脈は変わる
文脈に応じて、すでに実績のあるライフサイクルから適切なものを選択する
6つのライフサイクルモデル
• アジャイルライフサイクル:スクラムベース
• リーンライフサイクル:カンバンベース
• 継続的デリバリーアジャイル
• 継続的デリバリーリーン
• 探索的(リーンスタートアップ) • プログラム
ゴール駆動
• 予算はいつ獲るのか?
• チームの人選はいつやるのか?
• バックログは、いつ作るのか?
• 保守用のドキュメントはいつ作るのか?
• 偉い人を、スプリントレビューに毎回(しかも2週間に1回!?)呼ぶのか?
“ゴール”と、“決定すべきこと”、“そのための選択肢”の体系化
ディシプリンド・アジャイルは、こんな時に役に立つ
1. “自己組織化“で色々丸投げされた実践者のための、受け皿
2. ”企業活動“としてのアジャイルの促進
3. ”As Is”から始める、スキル進化のロードマップのように機能する
ディシプリンド・アジャイルでは以下を体系化し、ステークホルダーも含めたガバナンススキームをデザインする。
プロジェクト進行上の節目(”フェーズ)と達成基準(“マイルストーン”)
各フェーズ内で達成すべきゴール(“プロセスゴール”)と決定すべきこと(”ディシジョンポイント”)
用いることが出来る選択肢(”オプション”)
多くのアジャイルフレームワークが、何をするか(What to do )に力点を置いているのに対して、DAは「何を考慮すべきか」「どんな選択肢があるか」を より重視し意思決定をサポートすることを目的としている。
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