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L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUNDに行ってきた

3月16日にマリンメッセ福岡にて開催されたL'Arc〜en〜Cielのライブについて色々と書いていく。

演奏頻度が少なかった曲を重点的に披露していくというコンセプトがある今回の「UNDERGROUND」ツアーは、ちょうど折り返し地点にきたタイミング。

長年活動を続けているラルクは、ファン以外でも知っているヒット曲やライブで鉄板となる定番曲が多くて、どうしても初期の名曲が埋もれてしまう傾向があるので、このコンセプトはファンとして大歓喜だった。

いわゆるお披露目される機会が少ないレア曲は、これまで単発のライブで披露されてそれっきりというケースが多かったので、ツアーでメンバーが演奏を重ねていくことで、その洗練されていく過程を感じられるのも嬉しい。

ということで、今回のセットリストをまとめた上で、1曲ずつ感想をまとめていく。

ほとんど備忘録に近いが、最後までお付き合いいただいた人には、少しでもラルクの魅力が伝われば幸いだ。


ラルクのメンバー

言うまでもないかもしれないが、念のためここでメンバー紹介を。

hyde

言わずと知れたラルクの象徴であり、ボーカリスト。作曲した曲は、「HONEY」、「HEAVEN‘S DRIVE」、「flower」など。
ライブの演出を務めることが多い。
ソロプロジェクトや、YOSHIKIらと結成してTHE LAST ROCK STARSなどを掛け持ちしている。

ken

ギタリスト。
ラルクの楽曲中、最も多くの曲を作曲している。
やや気分屋なAB型の天才肌。
ライブのギターソロでは、原曲からかなり飛躍したアレンジをかましてくるところも見どころ。
hydeが求めていた曲をドンピシャで作り上げてくることもままある。
作曲した曲は、「花葬」、「NEO UNIVESE」、「winter fall」など。
kenちゃんと呼ばれることが多い。

tetsuya

ベーシスト。
ラルクのリーダーで、ラルク結成前にhydeを口説き落としたこの世でいちばんのhydeファン。
独創的で動き回るベースラインや、カラフルでオシャレな衣装などとにかくあらゆるものがベーシストっぽくない華やかさ。
ポップなテイストを作曲することが多く、「Driver‘s High」や「snow drop」、「READY STEDY GO」などを作曲した。
今回のツアーでは、演出も担当。
てっちゃんと呼ばれることが多い。

yukihiro

ドラマー。
98年に加入したラルクの縁の下の力持ち。
寡黙な性格と正確でタイトなプレイスタイルで、滅多に喋らないことからファンからの歓声はいちばん大きい。
音楽性は他メンバーとは少し異なり、ソロプロジェクトやいくつかのバンドを掛け持ちしている。
「DRINK IT DOWN」や「New World」などを作曲した。
ここ何年かは、ドアラにハマっている少し不思議な一面も。ゆっきーと呼ばれることが多い。

【ネタバレ注意】セットリスト

1.All Dead  18年ぶり
2.EXISTENCE 19年ぶり
3.THE NEPENTHES 16年ぶり
4.砂時計 16年ぶり
5.a silent letter 24年ぶり
6.Ophelia 19年ぶり
7. Taste of love 28年ぶり
8.Voice 7年ぶり
9.Vivid Colors
10.flower
МС
11.It's the end 9年ぶり
12.shade of season 10年ぶり
13.Blame 10年ぶり
14.叙情詩
アンコール(ラルクイズ)
15.GOOD LUCK MY WAY
16.Killing Me
17.自由への招待 18年ぶり
MC
18.Bye Bye 12年ぶり
19.ミライ
20.Link
21. MY HEART DRAWS A DREAM

レア曲中心というコンセプト通り、前回演奏したライブから10年以上間隔が空いた曲が半数を占めている。
個人的には、2014年の国立競技場で18年ぶりに演奏された「Blame」、2015年のラルカジノで16年ぶりに演奏された「it‘s the end」の再登場が嬉しい。単発で終わらせずに、当時感じた手応えをツアーという形式で育てていくという気概を感じる。アンコール以降のキャッチーな楽曲群もラルクにライブに来た!という感覚を味わえてこれもまた悪くない。ということで、次項からは1曲ずつ感想をまとめていく。

ライブの感想

・All Dead
確か15周年のときにkenちゃんがやりたいとリクエストした曲。破滅的な雰囲気の曲調や歌詞は初期の頃の方向性を感じさせるなと改めて感じる。
ステージ周りに幕が張られていて、メンバーがシルエットで浮かび上がる演出が相当にかっこいい。お気に入りの曲ということもあってか、kenちゃんのギターがキレキレ。
sakura(前ドラム)の頃の曲だが、ゆっきーは割と原曲に忠実に叩いていた印象。ゆっきーの音だとサウンドが引き締まる。

・EXISTENCE
ラルクとしては珍しくハードロック調でアッパーなまま攻め続ける曲。ギターがひたすら掻き鳴らされていてやっぱりカッコいい。今回は声出し解禁ライブということもあり、サビでは観客が歌うパートも。メンバーの演奏で歌うのはやっぱり気持ちがいい。アウトロの高速アルペジオも最高に決まっていた。

・THE NEPENTHES
hydeのハイトーンボイス、kenちゃんのトーキングモジュレータを使った歪みが効いたギターソロ、てっちゃんのスラップ奏法、ゆっきーの2バスと手数の多いドラムなどなど、メンバーの演奏テクニックがラルク史上最も詰まっている楽曲のひとつ。この曲は個人的にかなり好きで、かつライブ映え間違いない曲調なのでいつか生で聴いてみたかった。kenちゃん、3曲目にして3度目のギターソロで絶頂。今日は絶好調。

・砂時計
てっちゃんにしては珍しいマイナー調の楽曲だけど、メロディラインの美しさはさすが。hydeはこの曲を歌うとき結構熱が入っている印象。序盤3曲は、ギターがかなり掻き鳴らされているので、このあたりからベースラインが聴き取りやすくなった。途中から入るベースのフレーズがTHE tetsuyaなフレーズで優しいけどうねりがあって唯一無二。サビ前のギターとドラムのジャジャっていう感じのフレーズがアガる。ギターのカッティングがかなりきめ細かく響いていてとても気持ち良かった。

・a silent letter
hydeのソロライブのオーケストラバージョンfeaturing kenバージョンが最高によかったのです、ラルク本体でも聴けて大歓喜。ワンコーラスhydeの歌とkenちゃんのギターだけで進行するので、観客もじっくり耳を澄ませて独特な緊張感に包まれる。改めてhydeとkenちゃんの相性の良さを感じる楽曲。ラスサビでギターがどんどんうねり出すのが気持ちいい。

・Ophelia
なんやかんやでhydeが生でサックスを吹く姿を初めて見た。やや緊張気味?たまにジャジーな曲を作るラルクだが、どの曲もカッコよくてライブ映えする。ここでは、kenちゃんのガットギターが炸裂。こんなにテクニカルなことやってたのかとひたすら驚く。というか今回のライブは、ギターの音がかなりきめ細かく聴き取れて面白かった。

・Taste of love
きました今回の目玉。なんと28年ぶり。インディーズ時代のアルバムに収録されていた楽曲で、hydeの歌い方のアクが強くて正直ちょっと苦手だったけど、今のhydeが歌うといい具合の妖艶さが現れていて、表現力の向上を感じる。てっちゃんのベースラインも98年以降のハイポジで動き回る感じというよりは、低くて太い音でカチカチと動いていくフレーズ感(伝わる?)
この曲も何気にどのパートにも見せ場がある。ゆっきーは初めて叩く曲だけど、そこまで大胆なアレンジはしてなかった気がする。WOWOWで確認必須。

・Voice
映像を挟んで、ラルクの始まりの曲。なんと言ってもメロディーがよい。初期もアクの強さがありつつも、ギターのリフとメロディーの絡みが本当に心地よくて、なんか涙腺を刺激してくる感覚。後ろの映像のDuneのジャケットの椅子はちょっとシュールだった。ここでのギターソロも今まであまり聴いたことがないフレーズ。25周年は信じがたいレベルの演奏ミスをした曲だっただけに上書きしてくれて感謝。

・Vivid Colors
ついにシングル曲が登場。イントロからkenちゃんの伸びやかなギターが気持ちいい。ただ、ここでhydeが花道降臨したため、興奮してほとんど記憶がありません(笑)kenちゃんにしては珍しく音源に忠実なギターソロを弾く曲だけど、後半でかなりアレンジしていて、その瞬間は目の前のhydeをそっちのけで反射的にkenちゃんに目を向いてしまった。ラスサビは観客で大合唱。贅沢なカラオケだ。

・flower
言わずと知れたラルクの代表曲のひとつ。なんとここまでほぼ10曲連続で披露というかなりタイトなセットリスト。流石にhydeも疲れている様子。この曲に関しては、応援するような気持ちで見守る。それにしても、ラルカジノ以降でドラムのアレンジが結構変わったけど、それがめっちゃカッコいい。ここで花道にてっちゃん&hyde降臨。てっちゃんのベースのヘッドがhydeのマシュマロに直撃。

・It's the end
MCを挟んでタンバリンを叩きながら歌うhyde。ラルカジノでは、無人島で演奏していたのが曲の雰囲気と合っていてとてもカッコよかった。実は、屋内の会場で演奏されるのは初めてなのでは?今回はhydeのタンバリンがよく聴こえた。ゆっきーのスネアの連打がバチバチに決まってる。

・shade of season
ここで初めてゆっきー作曲の楽曲が登場。演出的に力が入っているところにゆっきーの曲をあてられることが意外と多い。アナログテレビのモニターが羅列されていた映像とどこか初期ラルクを思わせる曲の雰囲気が見事にマッチしている。hydeの低音の歌声が魅力的。ダウナーな曲調だけど、サビではコーラスの掛け合いもあってクセになる。フレーズはシンプルだけど、ラルク史上最もてっちゃんのベースラインがぶっとくてうねってる。改めててっちゃんの手元見るとずっと動いていて、時にはコーラスしながらこのフレーズを弾いているの凄すぎる。

・Blame
個人的には今回のMVP。10年前の国立で披露された時は、驚きすぎて全く耳に入ってこなかったので、集中して聴き入る。陰鬱とした雰囲気が一気にキャッチーなサビのメロディに昇華していく感じがまさにラルクの魅力が詰まっていて相当にカッコいい。ラルク史上でもかなりのクオリティなのでは。hydeの低音から弾けるようなサビのハイトーン。てっちゃんのベースはうねりながらも休符が絶妙に決まって独特のリズムでカッコいい。CD音源では、フェードアウトで終わるので、ライブならではのアウトロアレンジが渋い。前回の国立とはギターのフレーズも違っていてどこに着地するか読めなくてそこも面白かった。そしてどんなときもブレないゆっきー鉄壁のドラム。

・叙情詩
hydeお気に入りのken曲。30周年に続いて聴けたのは嬉しいけど、畳み掛けるセットリストゆえにhydeがやや苦しそうで少しだけ残念。いつも叙情詩は優雅に歌っているイメージがあったからこれもまた新鮮だけど、若干ヒヤヒヤした。今後のライブでは、もう少しいい具合の休憩を与えて欲しい。とはいえ、この曲でもkenちゃんのギターソロは優雅に響いていた。ここで一旦メンバーが捌ける。

・ラルクイズ
幕間の催し。一問間違いでめっちゃ悔しい。

・GOOD LUCK MY WAY
アンコール明けの映像に見入っているとほぼ隣にてっちゃんがいてめっちゃ驚いた。案外気付かないものだ。個人的にラルクでいちばん思い入れが深い曲。てっちゃん作曲らしいポップさの中にもどこか切なさを感じるメロディーとhydeにしては前向きな歌詞に涙腺を刺激される。「ここまで躓いてもこれたから」というフレーズにジンときた。

・Killing Me
ラルクをハマった頃によく聴いていたなと懐かしい気持ちに。一時期はライブの定番曲だったけど、何気に生で聴くのは初めて。kenちゃんがコーラスでhydeとハモる珍しい曲。てっちゃんもメロディーから独立した英語詩を歌っていたり、Aメロでハモったりhyde以外のメンバーも結構歌唱に参加しているなと改めて。歌詞は不思議だけど、王道のギターロックでやっぱライブで盛り上がる。

・自由への招待
この曲もラルクハマりたての時にめっちゃ聴いていた。いい曲なんだけど、キャッチー過ぎるのがhydeの肌に合わないのか意外にも18年ぶりの披露。天に突き刺さるようなロングトーンのギターのあとは、ちょっと跳ねたリズムで弾いていたkenちゃんが印象的。とても楽しそう。あと少しでこちら側の花道でkenちゃんとhydeの絡みが見れそうだったのに、捕まるのを察知してkenちゃんが逃げていきました(笑)何気にこの曲ドラムがめっちゃ忙しいけど、淡々と叩いているゆっきー凄い。

MC
余りにも緩い免許証の写真どうしてる?トーク。
hydeはバレないようにマッチョな振る舞い、てっちゃんはスタジオ撮影におまけで撮影した写真を持参しているとのこと。ゆっきーにカメラが向けられ、ピースして大歓声。

Bye Bye
12年前のこともあり、もう二度とライブでやらないのではと思っていたからある意味いちばん驚いた。hydeが入学のイメージの曲と言っていて、メンバーも少しずつ折り合いをつけられるようになってきたのかなと思うとジンとくる。辛い時期を乗り越えたメンバーを想いながらじっくり聴き入りました。

・ミライ
30周年の記念シングルでhydeが作曲した楽曲。みんなで歌いたい曲とのことだったが、まさかそこのフレーズとは...。がっつりバンドサウンドというよりは色んな音が入っていて最先端L'Arc〜en〜Cielといった感じ。イントロ以外ほとんど間奏もほぼなく、ほとんどずっとhydeが歌っている珍しい曲。ここでもちょっとしんどさのピークがきている感じはある。「虹がかかり」のフレーズとともに虹色のライトに照らされる演出はわかっていてもやられる。アウトロの英語の歌詞をてっちゃんが全力で歌っていて感動。

・Link
終盤でこの曲がきたら、もう終わっちゃうと寂しくなる。大体オーラスの一個手前で演奏される。hydeの「ジャンプ!」の煽りでそういえば、アッパーな曲調なかったなとふと気付き、飛びながら手拍子する。

・MY HEART DRAWS A DREAM
短めのMCを挟んでいよいよ最後の曲へ。ラルクの単独ライヴではこの曲がラストを飾るのは初めて。今回は、幕間の時間も比較的短くてかなりあっという間に感じた。寂しい...。しかし、まあほんとこれも素晴らしい曲で、リリース当時のメンバーのインタビューでもみんな珍しいくらい自画自賛していたのを思い出す。かくいう私も初めて聴いたときは衝撃を受けました。力強く美しいギターのイントロから始まって、ウィスパー気味のhydeの歌から、力強さが加わるBメロ、そして浮遊感あるサビのメロディ、ラスサビで大合唱というドラマチックな展開。4年間歌えなかった分、「夢を描くよ」のパートは思いっきり歌いました。アリーナ席だと周りを気にせず歌えて気持ちがいい。レア曲放出というコンセプトとともに、ラルクとしては声出し解禁ライブだったので、この曲が最後を締めくくるのはやっぱり相応しいなと。アウトロのhydeのファルセットが本当にきれい。

おわりに


3月ごろに下書きでライブレポを書き留めていたのですが、早いもので7月になりWOWOWでの放送も解禁に。さらに、早いものでアーカイブの期間もそろそろ終了になるので、備忘録も込めてようやく投稿しました。
30年越えの大ベテランですが、アングラのパフォーマンスはラルク史上でも屈指の出来だったので、なんとか程々にメンバーのモチベーションが上がることを切に願います。


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