見出し画像

2021年の自転車選び(秋)

前回「2021年の自転車の選び」について書きましたが、9/1を境に未確定だった部分が晴れてきましたので改めて投稿したいと思います。

内容は前回同様、今自転車を買おうとしている方へ向け、自転車業界がどう変わったか、またスペック・相場などお伝えし、間違いない自転車選びの参考になればと思います。

まずは2021年9月1日。何があったかと言うと・・・

新型DURA-ACE、ULTEGRA発表!

画像3

今年私たちが待っていた情報はこれです。シマノが今後どの方向にコンポーネントを作っていくか?また、いつ手に入るか?いくらなのか?電動?ディスク?12速?

前回のまとめで「ハイエンドバイクは今年買うべきではない?」と言った所以です。この仕様がはっきりしない内はハイエンドに手を出すな!ということでした。

新型DURA-ACEと新型ULTEGRAが発表され、わかったことを以下にまとめてみました。

①発表された新型は電動コンポーネント(Di2)のみ12速化になり、機械式変速が追加されるかは定かではない

②DURA-ACE Di2、ULTEGRA Di2どちらもリムブレーキ仕様が存続する

③DURA-ACE Di2、ULTEGRA Di2どちらもセミワイヤレス化

④現行の11速用ホイールは12速変速でも使用できる

⑤DURA-ACEは早ければ年内手に入る(完成車ではすでにデリバリーがはじまっている)ULTEGRAは未定

⑥価格は9100、8000に対し5%程度上がった(完成車ではほとんど影響ないか・・・)

これにより次に買うべきバイクのスペック・価格が決まってきました。

50万円以上のハイエンドを狙う場合「11速でもいいか」という判断は危険です。コンポーネントが8速から9速になった時、9速から10速になった時、11速になった時。いつも言われるのが「そんなにたくさん要るの?」です。今年来年は11速でいいでしょう。2年もすると12速が当たり前になってきます。今で言う10速のDURA-ACE、アルテグラに価値を感じないように2年後には現行の9100DURA-ACEですら魅力を感じなくなります。その時、組み替えを考えますか?おそらくシマノのことですから今より4~5%値上げしてきます。だったら・・・今12速にしておけばいいのです。

完成車も準備できてきました

新型コンポーネントの発表のタイミングに合わせて完成車メーカーもスペック・価格をあきらかにしてきました。

ベンチマークはBRIDGESTONE ANCHOR RP9

新型エアロ・レーシングディスクロード「RP9」にDURA-ACEを組み合わせて1,210,000円(税込)、ULTEGRA Di2を組み合わせて660,000円(税込)

画像1

オリンピックで日本チームが使ったANCHOR製トラックの活躍は記憶に新しいと思います。そのトラックレーサー由来のカーボンロードフレームがこの新型RP9です。エアロ・剛性・推進性能などのノウハウを最大限に注ぎ込んだロードフレーム。そしてレーサーモデルとしてはANCHOR初となるディスクブレーキ仕様。まさに和製TARMACとも言うべきモデル。それに新型ULTEGRA Di2を組み込んで660,000円は安すぎる。ということで注目を集めています。実際はホイールなど周辺パーツのバランスを整えてやる必要があるのですが、すでにディスクブレーキ用のカーボンホイールを持っている人には魅力です。

この価格帯で敵なし。GIANTも出してきました。

GIANTは先日発表したばかりの新型TCRに新型アルテグラDi2 DISCを組み合わせて693,000円(税込)。ANCHOR比+33,000円ですが、オリジナルカーボンホイールを標準装備ということで10万円くらいのお得感を感じさせるところがさすがです。

画像2

エアロロードモデルのPROPELがあるのでブレーキホースは完全内装にはしなかったのが吉と出るか凶と出るか。メンテナンスや輪行、車への積載などトータルでは外装ブレーキホースの方が扱いやすいのは事実。トータル重量を軽くしやすいのも魅力です。

cannondaleはまだ発表していません

出遅れているキャノンデールに探りを入れたところ「まだ言えません」ということで・・・当然、準備はしているようです。価格はANCHORやGIANTなど、先に発表したモデルを横目に見つつこれから設定するようなので、いつもの立ち位置から予想してみるに、新価格は+5~10万円かな

SupersixEVO HM Disc 9270 DURA-ACE Di2・・・120万円前後

SupersixEVO HM Disc 8170 Ultegra Di2・・・90万円前後

SupersixEVO Disc 8170 Ultegra Di2・・・70万円前後

ハイエンドクラスの相場をまとめると

①トップグレードのフレーム+DURA-ACE+カーボンホイールは120万円~

②トップグレードのフレーム+ULTEGRA Di2+カーボンホイールは80万円

③トップグレードのフレーム+ULTEGRA Di2+安ホイールは60万円

④ミドルグレードのフレーム+ULTEGRA Di2+カーボンホイールは60万円

このあたりを基準に考えるとよいと思います。

ミドルクラスは1割ほど値上げ

画像4

ミドルクラスは2020年以降大きな動きはありません。2022年は全体的に1割ほど純値上げになります。コンポーネントの変更もありませんがこのクラスのロードバイクは油圧ディスクブレーキだけになっていくようです。20万円~25万円でカーボンフレーム+105+リムブレーキという仕様は消滅したため、相場は約5万円ほど上がっています。

カーボンフレーム+ディスクブレーキ+105は30万円

アルミフレーム+ディスクブレーキ+105は25万

エントリークラスはリムブレーキ(または機械式ディスクブレーキ)を継続。価格帯は10~15万円のままなので、エントリークラスとミドルクラスとの間の15万円~25万円の価格帯がぽっかり空いてしまったことになります。そこで2022年からは新たなカテゴリーの「ミドルロークラス」が埋めていきます。

新カテゴリー「ミドルロークラス」が追加

あと少し手を加えると容易にミドルクラススペックになるバイクのことを(独自に)「ミドルロークラス」と呼んでみました。隙間となっていたエントリークラスとミドルクラスとの間の価格帯(15万円~25万円)を埋めてくれる「TIAGRA DISC」を使った商品群です。

コンポーネントはいつかお金が溜まったら組み替えるとして・・・とりあえずディスクブレーキのバイクを求める層にぴったりなクラスです。

画像5

例えばこのSPECIALIZED ROUVAIXは上質なカーボンフレームにTIAGRAのディスクブレーキを採用して231,000円

画像6

cannondale CAAD13 DISC TIAGRAは高級アルミフレームにTIAGRAのディスクブレーキを組み合わせて220,000円

はじめての自転車で少しだけ良いモノを。いつかはバージョンアップさせたいと求める方が選ぶべき価格帯です。

まとめると

①新型DURA-ACE搭載モデルは120万円クラス

②12速を狙うなら60万円から

 ホイールを選ばなければハイエンドフレーム+ULTEGRA Di2が狙える

③ミドルクラスは30万円オーバーになったので、いっそTIAGRAまで落として

 20万円クラスのカーボン+ディスクブレーキ+TIAGRAもアリかも。

入荷は相変わらず不安定なままなのですがね・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?