息子以上に信頼した尹煐鎬を更迭した意味
韓鶴子総裁の最側近、尹煐鎬(ユン・ヨンホ)世界宣教本部長が更迭されました。
尹煐鎬は、文鮮明師の聖和後彗星のように現れた謎の人物です。
韓鶴子総裁の信頼と寵愛を一身に受けた彼は、巧みな教団運営によって分裂の危機を乗り切りました。
「独生女の教え」が出現した時期、教団幹部や食口は一様に当惑しました。
文鮮明師の教えと矛盾する内容を語られるので、「お父様も正しければ、お母様も正しい」折衷神学を構築する必要に駆られたのです。
韓鶴子総裁は、この妥協案に納得しませんでした。
「あなたたちは、お父様との因縁が深いので理解できないのだ」と苛立ちすら見せながら、独生女の価値について辛抱強く説明されます。
尹煐鎬はその顔色を伺い、「お母様だけが正しい」と誰にも先駆けて、支持を表明したのでしょう。
独生女の石像奉献の式典では、「はじめから独生女の価値を理解したのは尹煐鎬だけだった」とその功績を讃えられました。
実の息子以上に信頼した尹煐鎬を更迭した意味について、憶測が飛び交っています。
この光景には既視感があり、清平公認の霊能者金孝南が更迭された10年前ととても似ています。
韓鶴子総裁は金孝南の金銭スキャンダルを、最後まで庇おうとしました。
「このままではお母様まで刑事事件に巻き込まれますよ」と説得された上での、苦渋の決断だったのです。
韓鶴子総裁にはもはや、信頼できる人間がいなくなっています。
独生女神学を教育をしようとした金振春教授の音声がリークし、混乱を収めるために教育自体が中止となりました。
独生女教育の中止は韓鶴子総裁にとって、不本意だったはずです。
しかしここで尹煐鎬は、教団運営を優先しました。
「お父様に罪があった」と公式見解を出すことは、どう考えても得策ではないからです。
その後ラスベガスでのカジノ収支記録が鄭元周(チョン・ウォンジュ)総裁秘書室長のそれと共にリークされ、傍目にも宮廷政争が激化するのが分かりました。
教団執行部に内通者でもいなければ、こんなことは起きないからです。
韓鶴子総裁の脳裏には、こんな疑念が生まれるかもしれません。
「尹煐鎬は独生女の価値を理解していたのではなく、ただ金のために私を利用していたのではないか?」と。
そしていま自分の周囲に残ってくれている人間たちも、本音では何を考えているか分からないのではないかと。
天苑宮奉献の記念撮影で、韓鶴子総裁の周辺には女の子女様しかおられません。
年老いてから頼れるのが娘だけとは、世間的には良く聞く話です。
しかし真の母という公的立場と絶大な権力、財力を考えると、あまりにも残念な結末だと言わざるを得ません。
私がもっと心配するは、そんな人物をいまもメシアと崇める家庭連合の食口たちです。
人生を賭けて信仰したのは、何のためだったのか?
いまはただ、「真の父母を信じること」それ自体が、目的化しているのではないか?
神様が生きておられ、人類の復帰摂理がいまも動いているのであれば、自らの置かれた位置と役割について再考する時が来ています。
「真の父母はいつも正しい」は、食口の願望でしかありません。
人間である以上、真の母とて責任分担不履行の可能性を否定できないのです。
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