声
彼とメッセージのやり取りをするのは本当に楽しくて、調子に乗ってついつい何通も送ってしまっても嫌がられるどころかとても喜んでくれた。
僕に興味をもってくれるのが分かって、とても嬉しい
そう言ってくれた。
わたしの想いを突き返すことなく、受け入れてくれることに心地よさを覚えた。
初めての感覚だった
これまでの人間関係では(恋愛に限らず、友人同士でも)自分の気持ちが相手への重荷になっていないか 引かれないか 嫌われないか それが心のどこかにいつもあった。
でも
彼は違うんじゃないか
そんなほんのりとした期待が生まれた。
メッセージを始めて2日目にして彼から電話の誘いがあった。
とてもうれしくて、とても怖かった。
電話をするということは相手の声を知るということ
自分の声を相手に伝えること
添削の出来ない生のやり取りだ
それが怖かった
嫌われたらどうしよう
私の声が嫌いだったらどうしよう
電話は自分の存在が生々しく相手に伝わる
それが怖かった
でも
この人に思い切って挑んでみようと思った。
その日の夜中に
電話をかけた。