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小説:渋谷メロウナイト

短編小説書こうと思います。
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第一章: 出会い

渋谷の繁華街を彩るバー「メロウ・ナイト」。その店主であるマスタードは、周囲から魅力的だと言われる男であった。しかし本人は日々、内心どこか落ち着かない気持ちで過ごしていた。そんな彼がある日訪れたのは、渋谷の中でも隠れ家的存在の「エメラルド・コーヒー」。

エメラルド・コーヒーは、大正時代からある、古き良き雰囲気漂うカフェで、アートと音楽が融合した空間が特徴。マスタードは普段飲まないエチオピアンコーヒーを嗜んだ。

彼の愛読書は作家ロバートハリスの『ワイルドサイドを歩け』。作者の半生をまとめたエッセイ集だが、書かれている規格外の人生に、自分もそうなることを夢見て投影している。

彼がコーヒーを啜りながら、本を読んでいると、カランとカフェのドアが開き、人が入ってきた。どうやら女性であるが、普段は女っ気のない彼も思わず見てしまう雰囲気であった。

続く

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