昼休み

会社に遅刻してしまった。誰にも挨拶する勇気が持てず無言で席に着いた。
午前中はいつも通り業務を続けて、いつも通り騒がしい昼休み。
休憩室は長机がいくつか並んでいる部屋で、そこに点々とおばさんたちがグループになって色々なことを話している。誰がなにを言っているのかざわざわしてわかりづらいから、ここは雑談をするのにうってつけの場所なのだろう。
そういった雑音を嫌がり一人で落ち着いて食べたい人は自分の席か廊下の一人席で食べる。廊下には窓に面したカウンター席もあるが、そこにはそこでグループがいるので、私は大体大勢のいる休憩室で一人で食べる。
雑音は正直言って聞いていて気持ちいいものではない。だが、おばさんたちがいなくなってから文字通りしんとする10分間があって、その10分間が心地いいから私は休憩室で食べることが多い。その10分間の間だけ急に休憩室に姿を表す連中もいる。
今日は寒いが天気がいい。空気も澄んでる感じがするのに、私の気持ちはよどんでいる。
体から放つ雰囲気も言葉をかき消すようなものになっていることだろう。
誰のことも好きじゃないと思う。会社に勤めていれば大体みんなそうかもしれないけど、ここにいる誰のことも好きじゃないと思う。
同じ職場で働いている人の中には、私を必要以上に女性だと意識してすれ違うときにあからさまに硬直する人もいるし、明らかに見下したような態度をとってくる人もいる。
みんながみんなそれぞれ困っていることがあるから、そんな態度になるのは特性上仕方ないのかもしれないけどはっきり言って好きじゃない。
そんな、私も含めて、なかなか好きになるのが難しい人たちとうまくやっていく場所が、会社なんですねー。会社なんですよー。(もう中学生風。)
まあ、必要以上にへつらいすぎず、自然体でやればいいよ、って話である。

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