自分ではなく他の誰かに

組織の中で働いていると時に気持ちが不安定になる時がある。そこには色々なタイプの人間がいて、人の数だけの性格があり、人の数だけの思い出と未来があるのだから、お互いに相容れない瞬間があるのは当たり前のことだ。そしてその不安定さを見つけ、救いとってくれるのも自分とは別の価値観を持った他の誰かなのかも知れない。

2021年から2022年の間、会社で2回の部署異動を経験し、納得ができなかった私は転職活動をしながら会社に通い、心身共にとても疲れていた。そんな日々が続く中、少しずつ今の自分の状態を会社内の誰かに伝えておくべきではないかという気持ちになった。昭和の時代なら会社や上司の命令は絶対だ。だが、現在は企業もアップデートし色々なシステムが確立されている。転職をする前にまずは自分の気持ちを会社に伝える第一歩を踏み出してみようと思ったのだ。会社では1ヶ月ごとに社員の健康状態を確かめるアンケートを配信している。そこに短い期間での複数の部署異動で疲弊している事、また同じようなケースはどれくらいあるのか、赤裸々に記載した。その時に感じたのが面と向かって話をするよりもアンケート画面に記載するほうが良い意味でとても軽い気持ちで記入でき、色んな意見を汲み取りやすいということ。すぐに会社から返答は無かった。だが翌月のアンケートにも、翌々月のアンケートにも同じように記載し提出していくと人事部より連絡を受け、結果、現在は異動前の部署に戻り勤務している。

私の行ったことが会社員として正しかったかどうかその是非は自分でもよく分からない。ただ、自分の気持ちを受け入れてくれた会社には感謝しているし、社員の悩みを相談できるようなシステムがあることをとても嬉しく思う。そして会社組織に「SDGs 」を取り入れることを自分なりに考えてみた時、会社に対して何かおかしいと思ったり、言いたい事がある場合、それをスムーズに伝える事ができるような制度をしっかりと確立しておきたいと思うし、その事実を伝えた人、自分の気持ちを訴えた人がまた元のポジションで以前と変わらないように働くことができるという部分までカバーしていくことが本来の「SDGs 」が持つ意味合いではないだろうか。組織の中でどこまでできるか分からないが、私も意識して取り組んで行きたい。
他人の考えや迷いに気づくことのできる、当事者にとっての「他の誰か」になれるように。






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