自分の行動基準の操作について

やりたいことが全く見つからない、大学生くらいの人たちに向けて、少しでも行動的になれるように書いてみた。

やりたい事を見つけるという目標を立ててから一年半ほど経過したけれど、いまだに何も見つからないので、せめてこの期間中に自分が考えったことだけでも残しておこうと思ってこの記事を書くことにした。とはいっても書こうと思ってからすっでに一ヶ月ほどが経過していて、ようやく重い腰が上がったところだ。それはともかく、この記事で考える「やりたいこと」とは、自分がお金や時間を費やしてでもそれを積極的にやりたいと思うようなもの、言い換えると趣味のことだ。大学に入ったあたりからずっと探しているのだけれど、なかなか見つからないので、それらについての自分の思考の整理をしていく。
まず、人にはそれぞれやりたい事とやりたくない事があると思う。自分に利益がある事ならそれをやりたいと思うだろうし、逆もまた然りだ。ほとんどの人は、無意識のうちにかもしれないが、自分がこれから行う行動についての自分から見た損得判断を下していると思う。例えば、ジュースを買うときには、自分が150円という代金を支払うというマイナスと、ジュースを飲めると言うプラスを比較して、マイナスよりもプラスが大きいという判断を下す。ほとんどの物事にはこのプラスの面とマイナスの面が存在すると思う。
そして大事なことは、このプラスとマイナスの感じ方には強い個人差が存在し、同じ人物であっても置かれた状況によって異なりうる、と言うことだ。
物事のプラスとマイナスを判断する、ということをある関数に見立てたとき、その関数の変数として考えられるものが、大きく分けて二つ存在すると思う。
一つ目が、その人が判断をする上で考慮する、現在置かれている状況。これには、周囲の環境や自分のその時の感情、その行動をした時に自分に何が起こるか、ということが含まれる。
二つ目が、生まれつき持っていたものに、経験によるさまざまな修正が加えられて出来上がった、その人自身の価値観。
自動販売機でコーラを買うことを例にすると、一つ目の置かれている状況として、喉が渇いている(プラス)、現在の所持金が200円しかない(マイナス)、などが考えれる。同じく二つ目の過去の経験や価値観については、コーラの美味しさについて知っているという、過去の経験から分かる事実(プラス)、ジュースにお金を使うくらいなら他のことにお金を使いたいと考える価値観(マイナス)などが考えられる。
もちろん、これらの判断材料や判断そのものは定量的に測れるものではなく、僕たちが普段行っていることをわかりやすくするためのイメージでしかないが、それでも、プラスを増やしてマイナスを減らせば最終的な判断はその行動をする側に偏っていく、などの定性的な推測は成り立つと思う。また、人によっては過去の経験の影響が大きかったり、生まれつきの価値観(例えば、新しいことを始めることに対する抵抗が大きい、など)が強い影響を持ったりすることもあると思う。
この考え方を、やりたいことを見つけるということにどのように当てはめればよいか。世の中にはやろうと思えばできることが溢れている。スポーツや読書、映画鑑賞や勉強など本当にさまざまあるので、問題は「これをやりたい!」と思うにはどのようにすればよいか、と言うことであり、先ほどの考え方を使うと、その行動をする、ということを考えた時の自分が感じるプラスをいかに増やして、逆にマイナスをいかに減らせるか、と言うことになると思う。自分の判断基準を自分で操作していこうという考え方には若干の抵抗を覚えるが、これによってやりたいこと見つかる可能性を増やせると思うとやらない手はない。
まずプラスを増やす、ということについて。
そもそも、生まれつきの価値観自体は変えられないので、考慮すべきは自分の置かれた状況と自分の経験ということになる。状況については、何か行動したい気持ちを強く持つとか、やることが何もない環境に自分を置くなどが考えられる。前者は目標に向かって努力している人を見ることによって自分の中に焦りを生じさせる、というのが思い浮かんだが、これは日頃からやっていることなので今更意識しても効果が薄い気がする。後者については、わざわざそんな状況に身を置こうとする人にはこの考え方が必要ない気がする。結論として、状況は自分に変えにくい部分が多く、効果が少し薄いんじゃないだろうか。一番良いのは活動的な友人を持つことなんだろうけど、僕にとっては本末転倒だからあまり考慮しない。
次に、経験という変数についてだが、これは要するに成功体験を積んでいって、自分自身の価値観を行動的に修正していくというやり方がいいんじゃないだろうか。成功した時の喜びや、そもそも自分の行動が成功した、という事実自体が、次はこれをやってみようと思うためのかなり大きいプラス要素になると思う。ここらへんに自分から活発的に行動していって成長していく人たちと、そうでない人たちの差がある気がするが、本筋から逸れるので考えない。成功体験を積んでいくためにはどうすればいいか。これはマイナスを減らすことについて考えた後に書いていこうと思う。
マイナスを減らすことについて
ここからは今までよりも僕自身の現在の状況に限られて一般性がない話になると思う。それはともかく、マイナスを感じるのは、時間やお金などのリソース的な損失だけではない。その行動が失敗する、ということ自体にもかなりのマイナスを感じる人が多いと思う。少なくとも僕はそう思うので、このことを念頭に置いてマイナスの減らし方について考えていきたい。まず、先ほどと同様に生まれつきの価値観自体は変えられない(生まれつき引っ込み思案な人も逆に行動的な人もいる)ので他の二つについて。
自分の置かれている状況を変えることによってマイナスを減らそうとすると、時間やお金などのリソースを十分にもつ、失敗に備えての準備や心構えなどが候補にらると思う。前者はリソースを十分に持てなかったとしても、自分のそれらに対する考え方を変えていけば達成できる可能性があると思う。後者については、そもそも失敗しないためにしっかり準備する、失敗する可能性を頭に入れておく、それでも失敗を不安視しすぎない、などによって達成できると思うが、特に心構えの部分については生来的な価値観に強く影響を受けると思う。状況については、結局一緒に行動してくれる友人が一番効果的だと思うが割愛。
経験によってマイナスを減らすためにはどうすれば良いか。月並みだけれども、たくさん失敗するしかないと思う。自分が失敗する人間だということ、失敗したとしても自分に壊滅的な被害はないこと、周りの人間も失敗を許容してくれること、などを失敗することで経験できたとしたら、それらは行動を躊躇わせるマイナスをかなり打ち消してくれると思う。僕は以前コンビニで物を買うのが嫌い(厳密に言うと物を買っているところを人に見られるのが嫌い)だったが、意識的にコンビニを利用するようにしてからこの嫌悪感は随分薄まったと思う。この行動によって行動すること自体への躊躇いという生来的な、もしくは過去の経験によって得られた価値観を少しでも行動的な方向に修正していけたら良いと思っている。
まとめると、生まれ持った価値観自体は変えられないし、行動に向けた心持ちというのも価値観などに強く影響を受けるので、最も干渉しやすい経験について意識することが、行動の損得判断をする上でのプラスを増やしマイナスを減らすための最も良い方法なのではないか、と思う。結論が月並み過ぎるかもしれないが、それは間違った議論をしていないからだということにしておきたい。
最後に、成功体験や失敗体験をたくさん積むための行動をするにはどうすれば良いのか、ということについて。いくつか方法があると思うが、心構えを変える、というのは少しふわふわしすぎていると思うので、具体的な行動や思考を考える。初めに思いついたのが、今までなんとなく嫌がっていたものがあったとしたら、自分がそれを嫌がっている理由について考える、ということだ。僕は物を買っているところを人に見られるのが嫌だと先述したが、その理由について考えてみると、人に、自分が買ったものを食べたり使ったりしているところを想像されるのが嫌だ、ということがわかった。こうして自分が嫌悪感を持っている理由が具体的に分かると、他人がそこまで考えているはずがない、というふうに理屈で自分の嫌悪感を打ち消せることがあるかもしれない。次に、その行動をするときに何が起きるか、ということについて考えるときに、この行動をしていくことで自分がどんどん行動的になれる可能性がある、といった今まで考えていなかったような効用も考慮に入れる、ということだ。無意識にやっていると見落としがちだが、損得判断の際に考慮されるのは自分が現在認識している状況についてのみなので、新しい情報を得たり、今までの認識を改めることによって、行動することに対しての判断基準が変わっていく可能性がある。
今まで色々と偉そうに書いたが、ここに書かれていることが全て正しいとは思わない。僕が全然実行できていないことも多いし、そもそも人によって効果的な方法は全く違うと思うので、やりたいことが何もないという人は、それぞれが自分で頑張っていくことでしか状況は好転していかないと思う。

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