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解決の鍵

私はかなり年季の入ったアパートに住んでいる。
入居したのは10年ほど前、転居に時間の余裕もなく半ば勢いで転がり込んだ。
住み始めてよく見回すと、壁や柱にカビっぽい汚れ、入居者が残したままの汚れ、床も老朽化でペコペコしていて重量物を置くのをためらうような所もある。

さて、入居してすぐ。
部屋はテラスハウスという1、2階で一世帯となっている形なので、2階への階段がある。
階段には前の入居者の為に付けたと思われる滑り止めがあり、その溝がカビのような汚れがあることに気づいた。
すぐに綺麗にしようと掃除をしたのだけど、なぜか落ちない…。
それで諦めてしまい、そのまま過ごしていたもののやっぱり気になって数年後にもう一度掃除をしてみた。
すると洗剤と道具が変わったからか、いとも簡単に綺麗にすることができた。
綺麗になってみれば、なんだこんなことだったのか…とあっけにとられてしまう。

そして先日、カビっぽいものがついていて何度か拭いてみたものの全く綺麗にならなかった柱をなんとかできないかと考えた。
木の柱に漂白剤のようなものを使っては変色したら困ると、選択肢から外していたけれど、食器なんかに使う除菌・漂白剤を少しだけ試しに付けてみたところ、変色もなくカビをあっという間に拭き取ることが出来た。
なんだ、これで良いのかよ!と。
注:たまたま上手く行きましたが、他の環境ではヤバいかもしれないので、安易にマネなさらぬよう。

こんなことばかりだと、なぜ始めにもっとよく調べてやらなかったのか?と思うんだけれど、気になると病的な執着心を発揮する私が、なぜか分からないが当時辿り着けなかった答えだった。
数年の間に、巷で良い方法が共有されていたり、自分の知恵も増えていたり、何年も住んでいることで場への慣れからドウニデモナレ感が芽生えていたことなど、いくつかの事が作用して、問題があっさりと解決されたのだと思う。

掃除なんか理科的知識や経験があれば、百発弱中効果的な方法を選択できるんだろうけど、私のような的外れな閃きで突っ走ろうとする者は日々こうやって当たっては砕けているのです。

こんなことがある度に思う。
今までどうにもこうにも開けられなかった扉の鍵をいつの間にか手にしていて、ただ使うことを忘れている。みたいなこと。
上手くいくのも行かないのも、どちらもタイミングなのかもなって思う。

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