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【創作BL】明日に向かって❷

次の日、早速外回りの飛び込み営業に出向いた。
1件目はレントゲンなどを作っている医療機器メーカー。あいにくの大雨の日で、次期も決算前で忙しい雰囲気だった。それでもユウキは意を決して、その会社の門戸をたたく。出てきたのは総務の人だった。「うちはもう間に合っているんです。半導体であれば、他社で頼んでて」眉間に皺を痩せながら、ユウキの話を気だるそうに答えている。それでもユウキは負けなかった。なぜなら、自分の前職が医療機器メーカーで親和性があるという分析を自分なりにしていたからだ。いくら飛び込み営業とはいえ、
なにも無計画に挑んではいない。ユウキは、果敢にセールストークを続ける。「弊社は他社と比べてアフタフォローが充実しております。納品したあと上手く作動しなくとも、迅速に対応します」口からでまかせな部分もあるが、負けじと返答していく。
結局、その時の契約は保留で終わった。契約を検討してから1週間後に連絡が来るとのことだ。
その後も、何件か営業の電話を車の中で済ませて事業所に戻ってきた。その日一日のスケジュールを青柳さんに話した。青柳さんからは、またしても勉強不足やら、それは成果に繋がっているのかやら厳しい言葉を言い放たれた。それでも、ユウキは負けずに次の日も営業に出向くことに決めた。


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