ニキタス
仕事が立て込んでいたため帰宅する時間が遅くなってしまった。出勤、退勤の車の中でラジオやポッドキャストなどを聴くのがすっかり習慣づいているが、そういえば、今日はYouTubeの「ポリタスTV」でピーター・バラカンさんがゲスト出演する日だったことを思い出し、「ポリタスTV」をライブ配信で聴きながら帰ろうと思ってスマホのYouTubeアプリを開くと、すでに番組は始まっていて、途中から聴くことになった。
てっきりメインパーソナリティーの津田大介さんとの対談かと思い込んでいたら、キニマンス塚本ニキさんがパーソナリティの「ニキタス」の回だった。「ポリタスTV」じたい、実に久しぶりに聴いたので、1週間の番組プログラムにはすっかり疎くなってしまったのである。
ニキさんは、少し前までTBSラジオ「アシタノカレッジ」の月曜~木曜のメインパーソナリティをつとめていた。私はたまにしか聴けなかったが、声の調子から、無理されているのかな、と思うような回がしばしばあったと記憶する。
しかし、このニキさんとバラカンさんの対談は、とても面白かった。というか楽しい時間だった。何よりニキさんがとても開放的にお喋りをしていて、聴いているこっちも楽しくなってしまった。
番組の中でニキさんが、ラジオをやっていたころの思い出話をしていたのだが、これが興味深かった。
あるアーティストについての特集の企画があって、そのアーティストのファンの方がゲストに来ることになった。ニキさんは事前にそのアーティストについて資料を読み込んだり音楽を聞き込んだりして必死に予習をしたのだが、どうがんばっても自分の趣味に合わない。「ムリムリムリ!」となったのである。
それでも番組を進行させなければならないので無理をしてそのアーティストを褒めようとするのだが、しかし声というのは正直なもので、ニキさんが無理をしている様子がリスナーにも伝わってしまったというのである。
なるほど、スタッフ主導で企画を進めていくと、必ずしもパーソナリティの趣味嗜好とは異なる話題にも無難なリアクションをしなければならないのだ。それではいくら何でも疲れてしまう。
しかし「ニキタス」ではおそらくその縛りがなく、ゲストも、ニキさんが会いたい人を自身で人選していると思われるので、今回の対話もグルーブしていたのだろう。
バラカンさんも、ずっと以前に海外のアーティストのミュージックビデオを紹介する番組で、自分の趣味に合わないアーティストの映像が流れると、顔の表情についその気持ちが表れたり、コメントで「好きではない」とはっきり言ったりしていたという。それは、スタッフがアーティストを人選していたからそうなったわけで、いまは自分のかけたい曲は全部自分で選んでいるのだという。
僕もこのnoteには、自分の好きなものについてしか書かないと決めているのだが、結局それがいちばん健康的なのだ。
自宅に着く前にライブ配信は終了したが、番組の最後に来週のゲストは寺尾紗穂さんですとニキさんが告知していた。これもまた必聴である。
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