見出し画像

SMELLMAN 3RD:4

SMELLMAN 3RD
KINDERGARTEN SCRAMBLE:4

空前のトイレ渋滞!
トイレトレーニング前期は、混乱と混沌の狭間で
園児たちを正しい時間に
用を足すように指導して行った。
漏らしても、園児たちの嗅覚は知覚しないので
大伴恭平(おーともせんせい)は、
二次的災害を起こさないように細心の注意を払う。

年長組が集う校舎一階のトイレ前は、さながら
東京渋谷のスクランブル交差点の如くだった。
雑踏、とでも言うべきか
21人を7のグループに分けておこなっても
この混乱、一体何が起こっている?

秋の味覚、栗ご飯の日は繰り返しおこなわれたが
「いいにおい~」と言う率直な意見は聞けなかった。
無味無臭な中で秋の風物詩をよそい
混乱混沌の中でトイレの順番を待った
六歌仙KINDERGARTENの園児たち
特にもみじ組の園児(20人/21人)たち。

かつて、外崎六郎がレンチンした白米に大反応したように
蒸せ返すような栗ご飯の湯気もうもうに
大なり小なり感じる園児も居るみたいだ。
「栗本来の匂い」も知らない
「米本来の匂い」も知らない世代なのだが。
大伴恭平は先輩スメルマンとして機能したと言える。
努力の甲斐なく、嗅覚の大革命は起こらなかったが
行動療法しては正しいベクトルを向いている。
後は集団行動心理を統率して、矯正を施していくだけ。
嗅覚の覚醒はどうやって起こる?
マニュアルが完成すると、スメルマン恭平はお払い箱だ。
繰り返される転生は彼にとってどういう位置付けに?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?