医療事故 訴訟リスク


私も医療従事者なのですが、もし医療事故を起こしてしまうことになると、医師だけに限らず、このように看護師などの他の医療従事者も訴訟に巻き込まれてしまうリスクというものがあります。

この看護師も、すぐに医師に報告できればよかったのですが、やはり人間であるので、医師も様々な業務に追われ、報告しづらい雰囲気になっていたかもしれません。

医師も、チーム医療においては、やはりリーダーシップが求められるかと思います。日頃から、他の医療従事者ともコミュケーションが取れるような関係を構築できていると、もしかしたら看護師も、大事になる前に、報告できていたかもしれません。

また、もっと根本的な話にもなるかもしれませんが、基本的なビジネスマナーみたいなことについても、医療従事者の養成カリキュラムの中に組み込んでみるのもいいんじゃないかと思います。通常であれば、入職時に研修を受けることになるかと思うのですが、こういった事故から医療従事者を守るという点から考えると、カリキュラムに訴えられる可能性があることをしっかりと教えていくことで、より防ぎやすくなるんじゃないでしょうか。

しかし、あくまでも事故を落としてしまったような病院であったり看護部の体制を養護するわけではありません。

患者様を持ち上げるのが看護師3名だということですが、3名のうち誰からも、医師に報告したほうがいいと判断できなかったということになります。

ハインリッヒの法則というものがあり、これは1件の重大事故の背景には、29件の同様の小さな事故、そして300件のインシデントがあるという考え方です。ということは、この看護師たちも、少なからずインシデントなどに遭遇しているわけで、その都度、きちんと報告せずに、自分たちでうやむやにしてしまっていた、ということが考えられます。病院として医療安全に取り組んでいく姿勢も、見直されるきっかけになっていくのではないでしょうか。

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