3〜7色

さっき本を1冊読み終えた。本を読むときは色鉛筆を片手に持ち、「いいですねー」と思った箇所に線を引いている。
その色鉛筆は、1本にいろんな色が入っているもの、と決めていて、のちにぱらぱらと本を開いたときに、いろんな色が目に入って楽しい感じになってる。

この色鉛筆を教えてくれたのは、ピアノの先生だった。練習曲を終えた時、楽譜に二重丸や花丸を書いてくれて、それは1本で何色もでる色鉛筆だった。
あの時すごく嬉しくて、楽譜に色がのって、その色鉛筆いいなあ、と思ってたんだな、今思えば。

最初にこの色鉛筆を買ったのは、確か伊東屋だったと思う、色鉛筆と出会って10年は経ってた頃だ。それを見つけた時は「これは!!!!!!」という衝撃と、あの時の記憶と、こうやって結構普通に売られていることへの驚きと共に、とにかく1本買った。
この1本は大事に使おうと思って、大事に使っていた。

学生時代、なんだか辛いなと思う日々があった。その中で私はなぜか中国思想の授業を選択し、少人数で教授の著書を読み進めることをやっていた。
その時にも、この色鉛筆は活躍した。ただそのときは、気に入った箇所に線を引くだけではなく、余白にとにかく丸を書いていた。余白の多い本だった。馴染みのない中国思想の本が途端に華やかになっていったことを覚えている。本てこう使ってもいいんだ、と発見した時だった。

最初の1本を使ってから、いつか来るかもしれないカラフル色鉛筆の生産終了日に備えて、見かけたら買うようにしている。結構売っているものの、1本の色鉛筆に入っている色にはばらつきがある。私が一番最初に買った色鉛筆が、一番色数が多かったと思う。最近は多くて4色。色は多いほうがいい。今後も見つけ次第コレクションする予定。

あの時の先生は元気かなぁ、ショートカットでスッキリした素敵な先生だった。