見出し画像

#3 「恩を売る」という言葉

「恩を売る」という言葉

今日は短めなのでサクッと読めますよ。

さて、私は「恩を売る」という言葉が嫌い。この言葉については小学生くらいから知ってはいたけれど、社会人になり、そして自分で事業を始めるにあたってこれまで以上に耳にするようになってきた。
よく「ここで恩を売っておくよ」というような使い方をして、後でまた売ったものを返してもらうようなニュアンス。
でもそもそも言葉そのものの意味を考えれば、「売る」の対義語は「返す」ではくて「買う」。「返す」という意味なのであれば、恩を「貸す」が正しいと思う。
私はこの言葉に「商品を押し売りされた」という感覚で捉えることが、ここ最近、感じることが多くなっている。
「そんなこと言ったら無償で手伝ってくれている人に失礼」と思う人がほとんどだし、自分でこの記事を書いておいて、自分もそう思う。
ただ、開業準備をしていく中で、純粋に応援してくれて手伝ってくれる人もいれば、どこか心の奥底では手伝った分を後日返してもらいたい、サポートしてもらいたいと考えている人もいる気がする。というか、ほとんどが後者だと思うし、多分人間ってそんなもんなんだと。
ただ、自分の場合は、そんなに物覚えが良いわけでも無いし器用でも無いので、借りたものを後で返済できる保証はない。そうなのであれば、無償ではなく、相応の対価をその場でお返しさせてほしい。

自分はこれまで人に恵まれすぎてきたし、甘え過ぎてきたので、25歳になってはじめてこういうことを考えるようになった。特にこれまでは、どこかに雇ってもらってその対価を給与としてもらっていたが、これからは自分で0から稼ぎを生み出して行かないといけない。
良くも悪くも、きっとホテルで働いていた時とは異なる目で物事を視る機会が多くなったのだと。別の言い方をすれば、目に見えないはずのお金の動きが目に見えるようになってきた(なってしまった)。
こいつが見えるようになってしまったせいで、気軽に何かを人に協力してって言いにくくなってしまってるところもあり、最終的には自分でやらないといけない、人をあてにはできないと改めて思う良いきっかけになった。

那智勝浦という町や、那智勝浦に住んでる人が悪いとかそういうわけではなくて、これまでとは違った気付きが最近あったというだけ。
でも一方で、自分はどんどん興味のあるもの、お世話になったものや人にはしっかり恩返しをしたいし、そのときには恩を売っているなんて思っていないから、見返りなんてなく手伝わせてほしい。でもそれが相手にとっては「恩を売る」と感じさせてしまっているかもしれない。
ああ、難しい。きっと答えはないものだと思う。

全然まとまらないけど、どちらが良くてどちらが悪いというわけではなくて、そもそも移住したて若僧のことを手伝ってくれているだけで、どんだけありがたい話なんや。

結論、自分、贅沢言うなよ。黙って開業準備。まだやることは山積みだ。

最後に、いつか自分が、「助けてあげたい!」「あの時の恩を返させて!」って言ってもらえる人になりたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?