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村上寛クアルテット LIVE in IIDA Over the Rainbow 2023/8/19村上寛(Ds) 森田修史(Ts) リン・ヘイテツ(P) 吉田豊(B)

今日は書けないかな… ここのところ、ライブ・打ち上げが終わって帰って来て、PCに向かうたびにそう思う。今日のクアルテットを小布施で聴き、松本経由でこの晩も聴きに来た盟友O氏との会話を心から楽しみ、ジャズにとことん惚れた者同士の心飾らぬ解放感を味わっただけに、ミュージシャンにも通じるだろう、本来的に詩人である私のある屈折… 表現をする側にいるものとしての… をもてあましていた。私のライブレポートは、ミュージシャンに対しては極めて無礼な言い方であるが、報告である以上に、演奏者と演奏、そして聴衆との間に湧き上がるsomethin’elseを言葉として二次元につなぎとめる私的ポエトリイであり、私の表現、作品である。だから、演奏がよければいいほど、私の文章の成立は危うくなる。ステージが終わった後、たったひとりのためにリンさんにeverything happens to me をリクエストして、じっとピアノの傍らで聴きながら、私は涙をこらえていた。

ファーストセットはウェイン・ショーターのナンバーから。フロント、テナーの主題。ピアノのオブリガートにハッとする。自由に奔放に絡み、美しい。いくつかキメが入ってA。私にはモーダルに聴こえたテナーソロ、ちゃんとキーはあるという。村上たっぷりとした一拍、重くシブいB。セーブしつつ次第に盛り上がっていくバンド!ピアノソロ、タッチもフレーズも実に美しい。豊かなアイディア、やはりこちらはモーダルにはとれなかった。ベースソロ、たっぷりロイクな歌心。良い!D.C.キメ入ってA。村上が自由に。続いて森田オリジナル「まだ降らない」。ゆったりした3拍子、バラード。森田からB、Tユニゾって、ドラムスの歌も含めて対位法的に4声部が絡む。テナーソロに私は独特の寂寥感を感じ、たっぷりと浴びた。ピアノソロはTrioの醍醐味、インタプレイ!抒情的で、繊細で、寂寥感さらに際立つ。しかし、Pの内面は熱く燃えている。Bソロ、音域幅広く、歌。D.C. T,Pのcall an’ response。そして吉田の音楽性を如実に現す「擦り切れた靴」。ブルース。テナーでジャズっぽいブルージーな主題。ブルージイでクレイジーなピアノソロ。森田ソロの極めつきのブルース!Bとてもご機嫌にロイク。D.C. rit.から森田カデンツアでFin. ファースト最後は森田「止まらない夜」Dsソロからテナーで主題。またしてもハッとする美しいリンのオブリガート。ミディアム4.森田ソロ。ところどころはいるキメが鮮やかに決まる。無理なく出すムリなフラジオ!バンドノリまくってアンサンブルがピッタリ。ピアノ気に入った!寛さん!D.C.

セカンドセットもショーターのナンバーから。あとで明らかに違うといわれたが、私にはモーダルに聴こえた森田の主題から。ソロは必ずしもインコードに聴こえなかったが、アウトにフェイクするのは私の大好きな森田だ。ピアノ、ブルージーでクレイジイ。とても不思議なフレーズの処理。たっぷりとした息のベースソロのあと、D.C.次はリン、ブレッドアンドサーカス。ジャズワルツと取れた3.テナー主題のあとソロ。フラジオ!響く最低音域!ピアノの指が回る。豊かなコードワークとフレーズ。ベースのルートをしっかりとった歌のあと、D.C.村上のバラード。ピアノトリオで始まり、森田で主題。泣きのストレート。ソロも美しい旋律線。ピアノも一本に近い旋律線。悪い意味でなく、懐かしく、どこかで聴いたことがある。ベースソロ、しっかりしたアタックと歌、このソロはほんとうに最高だった。泣けた。D.C.感動のコーダ、dim.フェードアウト。もうひとつ村上オリジナル。村上ソロから。ビートの説明が難しい。16か早い8か?サンバにも聴こえるが。ピアノのパッセージが入って、A.森田ソロ。とても奔放、4つ混じる。ピアノソロいい。でも形容する言葉が出てこない。Tパッセージから村上ブレイクソロ。楽にプレイしているように見えるが、とんでもなくパワープレイ!呼び込んでD.C. アンコールはマルのバラードだった。

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