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見積り一代男参上

見積り好きのMさんが来た。
ブレーキランプなどの電球一個交換するだけでも最低3社の見積りをする人だ。
Mさんに対しては過去5回ほどなんだかんだと見積りをしたが、今回初めて当方で1万円ほどの仕事をすることになった。

「3社見積りして僅かながら一番安かったです!はい!」

なんでも馬鹿正直におしゃべりするMさんだ。
それにしても「安いが正義」には程度というものがある。Mさんは人間関係を構築したがらない方であるので、事業所を「一番安い」か「そうでないか」でしか判断しない。それでもいいかも知れないが相見積りが過ぎると各事業所はMさんのために進んでは動かないと思う。
実際に今内容の見積時、他の箇所の整備の必要性を感じたのだが私は言わなかった。言ったところでそのためにまた他方何カ所も巡るに決まっているからだ。

いつも車のために懸命に動いているMさんだが、労力の割に車の状態は万全とは言い難い。何社にも車を見せておきながらその提案が出ないのは皆私と同じ気持ちではないのか?(推測)

「そういやMさんは車検を出すところも決めてないんですか」
ちょっと気になって聞いた。

「はい!車検の時は最低5社の見積りするんですよ。もう二か月前から大変なんです!あ!セキさんのところも見積りお願いしようかな!6番目と言う事でお願いしますね!」

私は「いらんこと言うてしもうた」と思った。
そして栄えある「6番目の見積要員」となった。

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