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総合内科専門医試験対策 コラム(試験勉強のゴール設定)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。

今回は、総合内科専門医試験の勉強における「ゴールの設定」について書きたいと思います。

前回の記事で触れましたが、本試験における「どのくらい勉強すればいいのか」という問題に対して、「○時間」と具体的に回答することは非常に難しいです。

それぞれの先生におかれまして、ベースの知識量や能力的な個人差があることはもちろんですが、「ゴールをどこに設定しているか」という点が必要な勉強時間を変動させる最も大きな要因です。合格を確信できるレベルに仕上げるのか、なんとか合格ラインまで到達させることを目指すのか。

今回は受験時代の模試の判定に例えてみます。
昔の受験時代を思い出してみてください。模試を受けた時に、合格できる可能性をA判定からE判定で表していたと思います。

各判定の定義は、予備校ごとに少しずつ異なるみたいですが、今回は説明しやすいように、だいぶ改変して、本試験用に勝手に決めてみました。

・A判定:合格可能性90%以上
・B判定:合格可能性80%程度
・C判定:合格可能性70%程度
・D判定:合格可能性50-60%程度
・E判定:合格可能性30-40%未満
・F判定:合格可能性20%未満

先生ご自身の目指すゴールはどこでしょうか?
「最低でもC判定には到達したい。できればB判定以上。A判定までいけたら理想的だけど、、」といったお考えの先生が多いのではないかと思います。

私が勝手に作ったこの基準でいえば、C判定は「合格がそれなりに期待できる(落ちるかもしれない)」、B判定は「大体は合格できる」、A判定は「合格は限りなく確実といえる」という感じです。同じ先生でも、C判定とA判定を目指すのでは、相当な勉強時間のちがいが生じます。

試験本番を迎える瞬間に、どこまで自分を到達させたいか。
実際には、最初から上位の判定まで到達できるイメージは湧かないと思います。まずは、なんとかC判定を目指して必死で勉強をして(ここまでが本当に大変です)、時間的に余裕があれば、さらなる上を目指していくという感じです。

しかし、実際には、日々の業務が超多忙な先生、学会発表や論文や他の専門医試験など並行してやることがたくさんある先生、子育て中で勉強時間が確保しづらい先生など、みなさまに日々の生活があります。この生活の中から捻出できる時間は限られています。現実的には、全員がA判定を目指して勉強することは難しいですし、そもそもその必要はありません。ただ、できるだけ合格できる可能性は高めておきたい。

そうなると、結局は前回の結論に行き着きます。
「今日から本気になる」ということなのだと思います。現在の自分自身ができる最大限の努力をして、ひとつでも判定ランクを上げておく、もっと細かく1%でも合格率を上げていく。このために全力を注ぐことが大事だと思います。


さて、2023年度は例外でしたが、これまでの総合内科専門医試験の合格率は6-7割です。これはかなり低いもので、普通に落ちてもおかしくないレベルです。

なんと、ずいぶん前には本試験に記念受験なるものがあったそうです。受験の申し込みはしたけれど、全然勉強が間に合わなかった。不合格になることはわかっているけど、来年のためにとりあえず試験会場に行って受験してみる(会場の様子や試験問題の内容を見ておく)というものです。
だいぶ以前ですが、私の先輩に記念受験をした先生がおられました。試験には申し込んだものの、勉強はほとんどできていなくて、もう諦めていたそうです。そんな中、旅費や宿泊費などはかかりますが、「とりあえず受けてきた」とおっしゃっていました。

実際に、あまりにも大変な試験なので、「まあ落ちても仕方ないよね」という雰囲気も受験生の中で少しはあったみたいです。真面目に勉強しても不合格になることはある。「別に不合格でも直接的な不利益はない」「とりあえず受けてみるか」「落ちればまた来年受験しよう」という割り切った感じの先生もおられたそうです。

そんな中、雰囲気を一変させたのが、措置的受験という位置付けです。これにより、かつてのように「もともと合格率も低い、落ちたらまた来年で」とは、簡単には言えなくなりました。
そして、そのタイミングでコロナパンデミックです。2020年、2021年の本試験はまさかの2年連続で中止となりました。コロナ禍があけると、受験生の意識が大きく変わっていました。現在の「落ちるわけにはいかない、一発勝負」という認識に変わったのです。

私も措置的受験でしたので、必要以上に「落ちるわけにはいかない」というプレッシャーがかかっていました。試験直前の極限状態だった時に、X(旧Twitter)で「不合格になったところで、職を失うわけでもないのに」とポストすると、同じように試験直前でかなりストレスフルの状態であった先生から共感をいただいた思い出があります。

話がそれましたが、お伝えしたいことは同じです。
もう一度、判定ランクをご覧ください。

・A判定:合格可能性90%以上
・B判定:合格可能性80%程度
・C判定:合格可能性70%程度
・D判定:合格可能性50-60%程度
・E判定:合格可能性30-40%未満
・F判定:合格可能性20%未満

これからやるべきことは明確です。自分にできる最大限の努力をして、判定をひとつでもあげていくことです。まだ試験まで時間のある現在と試験直前では、これをお読みの先生ご自身も、まわりの先生も、全くちがう雰囲気になっています。試験が近づくにつれて、これまでのんびりしていた自分をぶん殴りたくなったりします(私自身が経験済みです)。

私の記事は、基本的には確実な合格を目指した視点から書いているので、厳しめの内容が多くなってしまいます。本当は、もっとゆるく、先生方を気楽に安心させられるようなことを書きたいです。ただ、そうすれば聞こえはいいですが、この試験は甘く見ていると後半で本当に大変なことになるのも確かです。それを実際に経験しているからこそ、特に序盤にはあえて厳しい内容にしています。最終的に合格することこそが唯一の目標だからです。こんな意見もひとつの参考にしていただければと思います。

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