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総合内科専門医試験対策 コラム(試験問題のトレンドの比較)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。

試験2ヶ月前となりました。試験勉強の真っ只中で、ハードな毎日を送られていると思いますが、引き続き勉強がんばってください。

今回は「総合内科専門医試験の試験問題の傾向」について書きたいと思います。

総合内科専門医試験と内科専門医試験を見ていて、以前からなんとなく感じていたことがあります。

それぞれの試験問題は共通する部分が多く、お互いにリンクしています。総合内科専門医試験を受験される先生は、内科専門医試験の問題も見ておくと「強い」のは明らかです。この点は以前から強調して書かせていただいていますが、別の視点で書きたいことがあります。

「内科専門医試験の方が新しめのup to date問題が多い」
「総合内科専門医試験のトレンドは内科専門医試験を追従することになるのか?」

これは私自身の体感的なもので明確な指標はなく、また勝手な考察に過ぎないのですが、今回はこの2点について書きたいと思います。


・内科専門医試験の方が新しめのup to date問題が多い

前提として、2つの試験は異なるものですが、試験範囲は内科全科で同じです。当然どちらも内科学会が主催しています。出題されている疾患は各科の重要疾患+αであり、根本的には同一で、似たような問題も多いです。そのような中で、2つの試験の数年分の過去問を追跡して、内科専門医試験の方が新しめのup to date問題が多いと感じています。

ここで注意していただきたいことは、up to dateが多いことが「すごい」とか「難しい」ということとは全く異なるということです。総合内科専門医試験の方が、より深く深く、難易度が高いです。ただ、なぜか内科専門医試験の方が新しめのトレンドを追っているように感じるのです。

私は2022年に総合内科専門医試験を受験しました。
2022年は特殊な環境で、2020年と2021年の試験がコロナ禍で中止となり、実質的に3年ぶりの試験でした。王道の勉強をして実力をつけるしかないことは当然ではありますが、2年の空白期間により直近の試験問題がない(試験自体が行われていない)ので、どのような問題が出るのかが予想しにくいという問題がありました。

そして、2022年に試験を受験して、いろいろ感じたことの一つに、「up tp dateがほとんど出ていない」という感想がありました。そもそも新しすぎるup to dateは本試験ではほぼ出ないことは知っていましたが、up to dateに近い新しめの知識もとにかく少なかったです。新しいことよりも、深く深くという感じでした。

ただ、3年ぶりの試験であった2022年の本試験は特殊な環境でもあったので、それによりこのような問題構成になったのかとも思っていました。しかし、2023年の試験問題を見ても、up to dateに近い問題は少なかったです。

一方で、内科専門医試験の方がup to dateに近い問題が多いです。
実は、これは私が受験する前からすでに感じていたことでした。その段階では、内科専門医試験は2021年と2022年の2回しか行われていませんでしたが(内科専門医試験は第1回が2021年)、試験勉強として2つの試験の過去問をやっていて、その時からすでに「内科専門医試験は新しめの知識がよく出題されているなー」と思っていました。

この傾向はその後も続いています。
2023年、2024年と内科専門医試験は新しい知識を問う問題がしっかり出題されています。これは、新しすぎて対応できないup to dateという意味ではなく、他科の先生も知っておくべき程度の新しめの重要知識やトピックという意味です。一方で、総合内科専門医試験はup to dateは少なめで、疾患を深くという方向で、普遍的かつ古典的とも言える問題が多い印象です。


・総合内科専門医試験のトレンドは内科専門医試験を追従することになるのか?

このように書くと内科専門医試験が主体のような表現にも思われるかもしれませんが、そういう意味ではありません。

そもそも、2つの試験とは関係なく、各科において新しい診断や治療は日々続々と出てきており、各科でトピックとなる疾患やトレンドもあります。新しすぎる内容は他科の先生が知らないのは当たり前ですが、数年が経ち、それが重要事項として十分に認識された段階で試験にも出るようになります。

ここで、先ほども書きましたが、新しめの知識は内科専門医試験に出やすい傾向があります。つまり、先に出題されるということです。ただ、その医学的内容はいつかは総合内科専門医試験でも出されるということになります。そうすると、結果的には、内科専門医試験の試験問題が先行して、そのあとに総合内科専門医試験に出題される(追従する)という流れになるかもしれません。

もちろん、総合内科専門医試験の方が難易度は高いわけですし、「出題されるタイミングが遅い」ことが「遅れている、悪い」という次元の話ではありません。ただ、あくまで出題されるタイミングという点においては、追従することになるのかもしれません。

結局、何が言いたいのかといいますと、2つの試験の問題を数年間比較すると、このような傾向があるのではないかということをお伝えしたかったのと、内科専門医試験の過去問を見ておくことが役に立つのではないかということです。もちろん、これは私が個人的にそのように体感的に感じたことと勝手な考察にすぎませんので、参考程度にしていただくだけで十分です。

2024年の総合内科専門医試験の問題はどうなるのか。
これまでの流れを踏襲するのか、up to dateも多く絡めてくるのか。あれこれ予想を述べられる先生もおられるかもしれませんが、根拠を持って断言できる先生はどこにもいません。当然、私にもわかりません。

私の雑多な感想を書かせていただきました。まずは知識の土台、地盤を固めていく王道の勉強があっての話であります。その上で、このような傾向があることも頭の片隅に置いておいていただければ、試験直前の対策には役に立つかもしれません。

引き続き、勉強がんばってください!!

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