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総合内科専門医試験対策 コラム(試験本番への布石、どんどん進めながらも復習を)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。

2024年の総合内科専門医試験まであと1ヶ月半となりました。
まだ9月ですが、10月になれば気持ち的にもさらに引き締まってくると思います。

今回は、「今から試験本番への布石、どんどん進めながらも復習を」というテーマで書かせていただきたいと思います。

前回の記事では、試験勉強の中盤のメンタルや心境について書かせていただきました。この頃には、少し勉強が進んできて、一時的に「なんとかなるかも」と感じたりすることがある一方で、それはただの自分の誤算や錯覚であったと気づいて再び絶望に落ちる、というアップダウンが何度かあります。

当然ですが、試験勉強の期間、ベースの知識、試験本番の時点での到達点、これらは先生ごとに様々ですので、すべての先生が同じような心理状況になるわけではありません。ただ、試験勉強中盤には、勉強が軌道に乗ってきたと感じる(それが自分の誤解であったとしても)こともあると思います。
勉強初期には、知らない知識だらけですし、そもそもどの教材をどのように勉強すればいいのかわからないという迷いから始まります。しかし、少し時間が経ってくると、自分なりの勉強のやり方が固まってきて、それを進めていく段階になります。

例えば、「今日は○ページも進んだ、明日ももっと進めるぞ」と思われることがあるかもしれません。「教材をどんどん解いていく」、「次の疾患、次の科へと、勉強を進めていく」という時ほど、調子がいい、軌道に乗ってきたと感じることが多いです。

しかし、そんな時ほど、注意していただきたいことがあります。「前に進める勉強」が順調な時は、どうしても後ろを振り返ることが少なくなります。つまり、「復習」が疎かになります。

私の記事では、復習の重要性については以前に何度も書かせていただきました。例えば、教材を2周やっただけで、その内容を全て暗記し、試験日まで覚えていることができる人はほぼいないと思います。総合内科専門医試験の勉強では、復習が本当に大事です。

そこで、改めて復習の大切さについて書きたいと思います。

これは以前にも載せたことがある、人間の記憶の「忘却曲線」です。

進学塾ニュートンのホームページより引用


この有名な忘却曲線によると、復習をしないと、私たちの記憶は1ヶ月後には21%になっている(79%は忘れている)そうです。例えば、新しい問題集などを始めて、1ヶ月で全科をやったとしても、すでに最初の頃の知識はかなり抜け落ちているという感じです。

もちろん、記憶力は個人差が大きく、この記事をご覧の先生は優秀な先生ばかりだとは思いますが、私自身はこんな感じだったようにも思います。特に、総合内科専門医試験は暗記するべきことが多すぎるため、初めて学んだ大量の知識たちは、1ヶ月後には多くが抜け落ちてしまっています。

この曲線のように、復習をせずにひたすら「教材を前に進める勉強」だけをしていたとすれば、1ヶ月後には教材はかなり進んだとしても、かなりの知識を忘れてしまっています。これこそが、「勉強も進んできて、なんとかなりそう」という淡い期待から、再び「絶望」へ突き落とされる瞬間でもあります。

そのため、メインは「教材の各科を前に進めていく勉強」であっても、毎日短時間でも「復習」をする時間を作ってもらった方がいいです。これが長期的には、知識が身についているという形で、大きな実利益を生み出します。教材を何周しても、細かいところまで覚えていないと総合内科専門医試験の難問たちには通用しません。

暗記と記憶の定着には「何度か繰り返すための時間」が必要です。
復習は試験直前では対応しきれません。これだけ大量すぎる知識は直前に頭に詰め込むことは不可能です。さらに、骨のある難問を正解させていくには、「記憶にある」という程度ではなく、「しっかりと身についている」というレベルまで持っていく必要があります。試験直前に一気に頭に叩き込むというのは無理であり、むしろ時間をかけてちょっとずつ何度も何度も復習を繰り返すことが大事です。試験前に大慌て(大絶望)しないように、「教材を前に進める勉強」と並行して「復習を繰り返していく」という視点は長期的に持っておいてください。

「復習」は「教材を前に進める勉強」とは異なり、地味であり、勉強が進んだ感じがしないのは確かです。むしろ、先に進まないので、停滞した感じすらしてしまいます。しかし、「知識を自分のものとして身につける」ことが最終目標であり、その点で「復習」は本当に大事な作業です。

毎日の勉強に復習を追加することで、「やることが増えて追いつかない」と感じられるかもしれません。しかし、「総合内科専門医試験を余裕合格に導いた最強メソッド」でも書かせていただいた通り、復習を繰り返すことが、長期的に、かつ、試験本番を迎える時点で、大きな差を生み出します。本当に合否を分ける重要な作業なのです。

毎日、少しの時間であっても復習の時間も作る。調子がいい時ほど、きちんと後ろを振り返って復習も並行する。これは私自身が実体験を持って本当に大事だったと痛感したことです。引き続き、勉強頑張ってください!!

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