見出し画像

総合内科専門医試験対策 コラム(試験問題のカテゴリー:専門分野と出題形式)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。

今回は試験問題の全体像、カテゴリーについて書きたいと思います。試験勉強を開始される段階で、ざっくり知っておいていただくと本試験を少し把握しやすくなるかと思います。

まず、2024年の総合内科専門医試験は200問と内科学会が発表しています。
この200問がどのような問題から構成されるのか。私がお伝えしたい私見の分類の前に、まずは公表されている分類について書きます。

①専門分野
各診療科のことです。本試験は内科学会が10の専門分野に分類しています。試験後には、自分の得点率も合否結果と一緒に郵送されてきます。そこには、下に記す10分野それぞれの得点率が記載されていることから、これが公式分類だとわかります。

1. 消化器、2. 循環器、3. 内分泌・代謝、4. 腎臓、5. 呼吸器、6. 血液、7. 神経、8. アレルギー・膠原病、9. 感染症、10. 総合内科

試験勉強をする際にはこの公式の10分野に分けて行うのがいいと思います。

ちなみに、診療科ごとの問題数に差があるのか。
例えば、問題集では、消化器は消化管と肝胆膵に別れたりしていて、volumeが多いです。循環器も分厚めですし、内分泌・代謝は疾患数が多い。一方、腎臓は他科と絡んだ疾患が多いため、腎臓単体の問題は問題集では少なめです。
本試験においては、各分野の出題数は公表されておらず不明です(得点表には各科の得点率だけが書かれており、何問中何問正解とは書かれていません)。過去問を見ていると、やや差はあるように見えるのですが、完全に各科の問題数をカウントすることは難しいです。

その理由は、過去問復元を見ても、全問が完璧に再現されているわけではないことに加えて、複数の診療科にまたがる問題も一定数あるからです。例えば、先ほどの消化器内科で言えば、「CDI」の問題が消化器か感染症のどちらからの出題なのか、「胃癌患者の腫瘍性DIC」が消化器なのか血液内科なのか。さらには、「糖尿病性腎症」の問題が内分泌・代謝なのか腎臓なのか。「髄膜炎」の問題が、神経内科、感染症、さらには総合内科なのか。これは代表的なものですが、このように判断できない問題が結構あります。問題文や設問のちょっとしたニュアンスの違いでどちら側からの出題かわかることもあるのですが、完全には判別できません。

つまり、多少の偏りやその年ごとの若干の変動はあると思いますが、試験勉強をする上ではその比率を気にする必要はないと思っています。せいぜい数問の差であり、そこを気にするよりも、できるだけ全ての科で「高レベル」かつ「同レベル」に自分の実力を仕上げるように勉強時間を配分するのがいいと思います。

苦手な科がいくつかあるとすれば、そこにはしっかり時間を投入するべきですし、逆に、ご自身の専門科などの得意科目に必要以上の時間をかけるのは時間がもったいないです。時間がたっぷりあるわけではないのなら、問題集を進めていくときも、自分の専門科は1周目は飛ばしたり、かなり短時間で終わらせるのがいいと思います。自分の専門科は他科と比べて圧倒的に知識がありますので、他科の学力レベルが同程度まで追いついてはじめて手を出すくらいでもいいと思っています。

②一般問題と臨床問題
この分類は、医師国家試験でもそうだったのでイメージしやすいと思います。

一般問題とは、内科学会HPには「専門的であっても必須の知識や判断力を問う問題」と記載されています。要は、短文の問題で、ピンポイントの知識を問う問題です。これが50問とされています。
一方、臨床問題とは、「年齢、性別を記載して実施形式で症例を示し、設問に答える問題」と記載されています。要は、患者背景、経過、血液検査や画像検査をはじめとする様々な検査所見が長々と提示されていて、そこから設問につながります。これが150問です。
ちなみに、本試験では一般問題も臨床問題もどちらも1点とされています。

試験勉強をする上で、一般/臨床問題の分類も細かく気にする必要はありません。
同じ疾患も、一般問題と臨床問題のどちらでも出題されます。超王道の心筋梗塞や糖尿病や白血病、最近出題されまくりのNTM、すべての疾患で単発の一般問題もあれば、症例提示から自分で診断をつけて設問に答える臨床問題もあります。しっかり勉強できていれば、どちらの出題形式であっても正解することができます。もちろん、消化管ホルモンなどは単発の一般問題でしか出しようがないですが、これはわざわざお伝えするまでもないと思います。

せっかくなので、まだ早いですが、試験本番についても少しだけ書いておきます。
本試験の本番ではこの200問と戦うことになるのですが、当日はかなりの長丁場です。2024年の具体的なスケジュールはまだ公表されていませんが、2023年であれば110分×3(1限目から3限目)であり、朝から夕方までの試験です。

1問で1ページは使う臨床問題が75%を占めるため(もちろん難問ばかり)、量的にも質的にも骨のある問題が続きます。問題文がとにかく長いので、後半になるにつれて読むのも疲れてくるのですが、サラッと読んで大事なkey wordだったり、keyとなる血液検査の1項目なんかを見落とすと診断が絞り込めず、問題が解けなかったりします。

1限ごとの約2時間は最初から最後まで高い集中力を維持する必要があります。結構ハイペースで解き進めてちょうどいいくらいの時間になります(全く時間が足りないということはありませんが、時間がたっぷり余るということもありません)。このあたりの対策は試験が近づいてから確認すれば大丈夫なことなので、試験前にまた記事にしたいと思います。

とにかく、まずは知識の地盤を固めるための王道の勉強を続けてください。地盤固めには、非常に長時間を要しますし、肉体的にも精神的にもかなりしんどい時間が続くのですが、とにかく継続して勉強を頑張っていただければと思います。

もともと私が書きたかった私見の分類があったのですが、長くなりましたのでまた別記事にしたいと思います。

(この記事が少しでも先生のお役に立てましたら、いいねをポチッとお願いいたします。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?