ねとつく視線

「なにいあれ、あそこにポコッと窓が現れ開いて何者かがこっち覗いたわ」
「あそこって階段の脇かい、ただの空間じゃないか」
「そうよ、だから驚いたの。ねえ変でしょう」
「熱でも出たんじゃないのか、それとも酔ったんかな」

「ときどき覗いてくるのは何者なの、気持ち悪いわ」
「それもそうだけどいきなり現れるあの窓はなんなんだ、どうして現れる」
「理屈が分からない、今まで聞いたことも教わったこともないもの」
「ここは現実世界じゃないんかな、今どんな状況なんだ」

「なんの規則性がなく覗かれるのって、不愉快だし不気味だわ」
「やっと目が覚めたか夢でしたってならないもんかな」
「そんな安直だったらいいのだけど、目覚ましは鳴らないわね」
「覗き魔と目が会ってしまった。すごくいやらしい好奇の目だったぞ」

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