企業物価指数(2022.12)



1/16  企 業 物 価 指 数(2022年12月速報)が発表されました。

企業物価、22年9.7%上昇

 年間で過去最高

日経新聞の記事によると、2022年の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は114.7と前年比9.7%上昇しました。

22年の上昇品目をみると、電力・都市ガス・水道(36.0%)や鉱産物(27.3%)
為替や資源価格の影響を受けやすい鉄鋼(26.7%)や石油・石炭製品(18.0%)、非鉄金属(15.2%)以外にも飲食料品(5.6%)や繊維製品(4.0%)など

12月の速報では、
電 力 ・ 都 市 ガ ス ・ 水 道(64.8%)   鉄 鋼(55.6%)  非 鉄 金 属(48.2%)
木 材 ・ 木 製 品(65.9%)  石 油 ・ 石 炭 製 品(48.9%)が高いです。

消費者物価指数(CPI)も先日発表されていましたが、かなり差がありますので、当面は物価上昇圧力が続きそうです。
ただ足元では円安と資源高の影響は和らいでいます。
10月には、一時1ドル=151円台後半をつけた円相場は円高に振れ、1月16日時点で一時127円台で推移しています。
22年12月の輸入物価の上昇率は円ベースで22.8%と高いですが、9月(48.5%)から3カ月連続で下落しています。

資源高の一服を受け、欧米ではインフレ懸念が後退する兆しが出ています。
ただ、電力や都市ガス料金は7~9月の燃料費を反映しており、足元で燃料高が落ち着いても料金が下がらない。
東京電力ホールディングスは電気の使用量に応じて支払う「従量料金」の値上げ申請しています。

電気料金29%値上げ申請


もし、申請が通れば、一般家庭向け規制料金について、平均29.31%の値上げになります。
電力使用量が260キロワット時の標準家庭の場合、現在の9126円より2611円高い1万1737円になるようです。
値上げが実施されれば、東日本大震災後の2012年以来、11年ぶりになるそうです。
ますます家計は厳しくなりそうです。


低圧の電気料金を見ても平均して30%程度上昇しています。

高圧の電力の上昇率は直近では、50%近く上昇しています。

高圧とは・・・
高圧とは、契約電力が50kW以上の事業者が利用する電力です。電圧でいうと、直流は750V~7,000V以下、交流は600V超~7,000V以下。供給電圧は、6kV以上になります
契約者は小規模な事業者で、コンビニエンスストアや飲食店といった店舗をはじめ、幼稚園や保育所、病院、事務所、小規模な工場などになります。


セブンイレブンの水道光熱費を見てみると、昨年と比較すると、+37.7%
上昇しています。


米国の水道光熱費をみると、+30.2%となっており、日本より上昇は低いようにも見えますが、昨年も+34.7%上昇しています。
ただ水道光熱費の負担でみると、日本の方がはるかに高いです。
それよりも米国の人件費の上昇率が凄まじいです。
昨年+74.1%上昇していますが、今年も+38.8%上昇しています。
日本は逆に下がっています。

特別高圧になるとさらに上昇率は高いです。

特別高圧とは・・・
供給電圧が20,000V(20kV)以上で、かつ契約が2,000kW以上の事業者が利用する電力
大量の電力を使用する施設です。大規模な工場やコンビナート、高層ビル、デパート、総合病院、鉄道事業者など


おそらく、ヨーカドーがこれに属するのではないかと思うのですが、
見てみますと、約2倍に上昇しています。
特別高圧の方が、単価は安いのですがね・・・上昇率はかなり高いです。


高圧電力の価格見直し

2023年4月以降の標準料金メニューに関する見直しを9月に発表しています。
電気料金のモデル試算でみると
中規模などのスーパーでは、110万から123万に
特別高圧の百貨店などでは、4408万から5030万に上がる試算になっています。
 更に市場単価が50円に上昇した場合、3割程度上昇するので、かなり負担が多くなってしまいます。


ただこれでも、今年になってこれだけの赤字を出しています。
売上はすごいのです。売れば売るほど、赤字が増えていくような感じなのでしょうか?
これをみると値上げは仕方ないのかもしれませんし、更に値上げの必要性を感じています。
ただこれ以上上がると、経済活動に影響が出ないか心配になってしまいます。

燃料調整額の推移を見てみます。
2021年から上がり続けていますが、
2022年9月以降は横ばいで推移しており、それ以上高騰していません
低圧(規制料金)の 燃料調整額 には上限が設けられており、それ以上上がらない制度になっているためだそうです。

2023年2月からは、燃料調整額 が急激に値下がりしています政府が行う政策「激変緩和措置」によって2023年2月(※1)からは国から電気料金に対する補助が出るため、燃料調整額 が抑えられるためです。
2023年2月から一定期間は電気料金の負担が落ち着くと予測されます。

価格が高騰している理由に円安・ウクライナ問題がよく言われると思いますが、それ以外にも「国内の電力供給不足」があります。
その原因の一つに原発停止になります。

過去の供給量の推移をみると、2010年には、原子力の供給量は25%ありました。
そのため火力発電の稼働を増やしていましたが、2016年の 電力自由化 によって、電気料金の競争が激しくなり、電力会社が採算性の悪い「老朽化した火力発電所」の休廃止を進めたことで、火力発電も減少しているようです。
また「CO2削減」に向けて、CO2を排出しない「再エネの導入拡大」したことも火力発電減少の要因のようです。

また再エネ賦課金 の値上がりも、電気料金高騰の一因になっているようです。




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