「生存者」

「生存者」
P・P・リード

飛行機事故で墜落した先はアンデスの雪山奥。
捜査は難航を極めるが七十日後、
奇跡の生存者が発見される。
歓喜と興奮の渦の中、
生存者たちは英雄として扱われる。

しかし徐々に人々は、、
この疑問に辿り着く。
“彼らは、本当は、、、「何を」食べていたのか”
奇跡への熱狂は、やがて禁忌への恐れへ。

精密なインタヴューをもとに抑えた筆致で生存者たちの行動と思考、その魂のあり方まで描き出した、文字通りの感動作。

絶望の山中で希望のために人肉食を決意した話し合いでの震えは、人間が人間である価値、その美しさは「夜と霧」で語られる最後の態度価値そのものです。


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