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指定難病を患った話11.【確定診断】

今回は入院中のお話。

前回のお話で入院生活が
スタートしたところまでお話しました。

入院2日目、
朝イチで看護師さんが部屋にきて
何をするのかと思いきや
両手いっぱいの血液採取ボトルを
ジャラジャラと机に置き、

「血液検査です」と。

見たこともない数だったので
それ全部やるんですか?
貧血にならないですかね?
と聞くと

「私もこの数ははじめてみましたけど
具合悪くなったら教えてください」

看護師さんでもはじめての量なのか…
そのまま15本以上の
血液を採取されましたが
意外と貧血やフラフラはありませんでした。

そして今日は造影剤を使ったMRIで
背中に異常がないか調べる検査が
午前中に入っていました。

これまでの検査で
髄液からギランバレーや
CIDP患者に多くみられる
蛋白の異常が発見されていたものの
それだけでCIDPと断定するのは難しいようで
造影MRIで異常をみるとのこと。

MRIは入院前の検査でもお話しましたが
大の苦手でパニック状態に陥る可能性
があったので
鎮静剤を処方してもらいました。

どうやら造影剤を使ったMRIは
いつもより長いらしく、
1時間くらいとのことで
鎮静剤があっても不安だったのですが、
いつも飲んでいる頓服ではなく、
病院が処方してくれたものを服用すると
あっという間に意識が朦朧となり
寝てしまいました。

MRIが終わってからもフワフワした
感覚が取れず、
その後3日連続でMRIを撮ったのですが
鎮静剤を飲んだ日は
まともに記憶がありません。

最初の1週間はほとんど検査の毎日で
その後リハビリが少しずつはじまり
朝食→検査→お昼→リハビリ→夕飯→就寝
の連続でした。

とくに治療をしているわけではないので
リハビリといっても
何ができて何ができないか
状況確認に近い内容でした。

それ以外の時間は担当医や
他の脳神経内科医、
近隣の大学病院の先生など
珍しい病気だからなのか色んな方が
病室にいらっしゃいました。

入院が1週間ほど経ったころ、
担当医の先生から
造影剤を使ったMRIで異常がでなかったこと
を告げられました。

つまりまだ確定診断ができない状況
ということでした。

ただ症状は現にあるので
このまま放置しておくことはできません。

そこで以前某大学病院で
異常が見つからなかった
針筋電図検査を行い、
異常が出れば治療に踏み切るという
判断をしてくれるとのこと。

検査はCIDPや神経難病に詳しい
とある大学病院の先生も立ち合い、
3人の先生があーでもないこーでもないと
議論しながらはじまりました。

すると

「やはり異常が出てるので治療に入ります」
「見た感じ数ヶ月どころか1年近くの経過の後があるようにみえます。8月の某大学病院の検査では異常がないと言われたんですよね?」「不思議だな〜」

そう。ここで異常がわかるということは
8月に大学病院で行った時に
なぜ異常が発見されなかったのかという
疑問が生まれます。

もしかして誤診…?

東京の有名大学病院で
身体の病気を否定された、
環境要因で良くなったり
悪くなったりしていた、
ALSに特別不安を抱いていたので、
そこを重点的にみてもらっていたなど、
その時の状況がそうさせたのかもしれません。

いずれにせよ過去のことを
とやかく言っても仕方ないので
今回ようやく病気を
みつけてもらったことを
ただ前向きに考えるしかありません。

そして個人的に気になったのは
CIDP発症の要因はなんだったのか。

実は22年の3月に筋力低下に気がつく前、
21年の11月頃から全身を針で突かれている
ようなピリッとした痛みを感じていました。

その前月何をしていたかというと
新型コロナワクチンの2回目接種でした…

因果関係はわかりませんし、
ワクチン接種を否定も肯定もしませんが、
逆算していくとそこに辿り着きます。

インフルエンザや風疹のワクチンで
ギランバレー症候群を
発症することがあるのは
よく知られているようで
ギランバレーがありえるのであれば
コロナワクチンでCIDPも
絶対ないとは言い切れないと
担当医は否定も肯定もせず。

検査が終わり、
翌日から早速治療を
はじめることになりました。

その名も「免疫グロブリン療法」

簡単に言うと人の血液から採取された
免疫機能を点滴で身体に大量投与し、
身体の免疫機能を正常化させる薬です。

CIDPは全身にはりめぐらされた
末梢神経が自分の免疫機能によって
攻撃され、脱髄とよばれる現象を
引き起こすことで症状が出ると言う仕組み。

神経をカバーしている電線が
自分の免疫で攻撃されて穴が空き、
漏電してしまっている状態と考えれば
イメージがつきやすいかもしれません。

つまり免疫グロブリン療法で
自己免疫機能が正常化されれば
末梢神経を攻撃してしまうことがなくなり
人間が本来持っている治癒能力で
漏電している神経が治っていくはず、
という治療法です。

ただ神経が壊れきってしまうと
回復が難しかったり、
一部の機能障害が残ったままになる
こともあるそうです。

効く人も効かない人もいるようで、
後は運次第。

翌日から点滴を開始しました。

1日1回で毎回2時間弱の点滴を
5日間連続で投与しました。





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